マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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ICPhS 2011のホームページ
来年開かれるICPhS (International Congress of Phonetic Sciences) 2011のホームページが早くもできたようです。


ICPhS 2011


ICPhSは4年に一度開かれる大規模な音声学の国際会議です。前回の大会(2007年,ザールブリュッケン),参加してみてけっこう楽しかったので,今度もぜひ参加したいところ。今度の開催は,2011年8月17日~21日,香港です。

それにしても,あれからすでに3年が経つというのが驚き。あのとき発表した論文の改訂版のマニュスクリプトが,いまだに手元で眠っているというのに・・・。

Gösta Bruce
スウェーデンの音声学者,Gösta Bruceが亡くなったという知らせを目にしました。63歳だったそうです。

John Wells’s phonetic blog > Gösta Bruce 1947–2010
Language Log > Gösta Bruce 1947-2010

Bruceが1977年に出した博士論文Swedish Word Accents in Sentence Perspectiveは,スウェーデン語のアクセント研究においてインパクトがあったというだけでなく,その後の韻律研究全体に大きな影響を与えたと私は理解しています。発話のピッチを局所的なピッチ変化が線上に並んだものとして捉える考え方は,autosegmental-metrical(AM)なイントネーション音韻論やToBIへと受け継がれています。(ただ,Bruce自身がAM理論やToBIのことをどう思っていたかは,気になるところなのですが。)

ちなみに,私もBruceの博論のタイトルをまねて,Gyeongsang Korean "accent" in sentence perspectiveという口頭発表をしたことがあります。Bruceへのオマージュと言うには失礼な,中途半端な内容なのですが。(このトピックに関しては,面白いことがいろいろ出来ると思うのですが,飛び立ったままちゃんと着地できていないというのが,私の研究の現状です。)

Bruceと直接面識があったわけではありませんが,彼が切り拓いた世界で研究をする者のはしくれとして,彼の訃報はとても残念です。

Eli Fischer-Jørgensen
Eli Fischer-Jørgensenが今年2月に99歳で亡くなったそうです。Phoneticaに追悼記事が出ていました。

Eli Fischer-Jørgensenはデンマークの音声学者。トゥルベツコイやイェルムスレウが活躍していた時代をリアルタイムで知っていた人で,追悼記事は音声学・音韻論の歴史を見るかのようです。

音声学において多くの業績を残した学者なのですが,同時に有名なのが音韻論史を扱った『音韻論総覧』。私がお世話になったのは,もっぱらこちらの方です。ソシュール以前からはじまり,プラーグ学派や言理学,ブルームフィールド学派の音韻論がかなり詳しく扱われています。

音韻論総覧音韻論総覧
(1978/01)
エーリ・フィシャ・ヨーアンセン

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印象的だったのは,音韻論の歴史は螺旋的だという話です。ある理論における概念が,別の(より新しい)理論の中で批判され,でも似た概念がそのまた次の(もっと新しい)理論の中で現れることがよくあるといった話です。こうも言っています。

果して音韻論には進歩があったのか,あるいは進歩なるものが流行の変遷といったものにすぎなかったのではないか,という問いも発せられると思われる。しかし,この後の方の見解は,悲観的に過ぎるであろう。それぞれの新しい音韻論の傾向が,貴重な新しい洞察をもたらし,新しい展望を開いたことに疑いはない。(p.417f.)


音韻論の勉強というと,ともすればOT(最適性理論)から始まりかねない今日(それはそれでいいのですが),初期の生成音韻論までしか扱われていない上の本は古すぎるのかもしれませんが,単に古いといって切り捨てられないぐらい示唆に富む本だと思うのです。

Phonetic Analysis of Speech Corpora
Amazonでこんな本を見つけました。音声コーパスの分析に関する本のようで,もうすぐ発売されます。

Phonetic Analysis of Speech CorporaPhonetic Analysis of Speech Corpora
(2010/04/26)
Jonathan Harrington

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音声コーパスの分析には,少量の単語や文の音声学的分析とは違った考慮が様々に必要で,さらにいろいろなスキルも必要となってきます。それは私が知っておかないといけないことでもあるわけで・・・。

この本,すごく欲しいです。

A course in phoneticsの第6版
たまたまKeith Johnsonのホームページを見ていて知ったのですが,A course in phoneticsの第6版が,Ladefoged & Johnsonとして出版されるようです。

Amazonを見てみたら,こちらにも出てました。

A Course in PhoneticsA Course in Phonetics
(2010/01/04)
Peter LadefogedKeith Johnson

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A course in phoneticsといえば,英語で書かれた音声学の教科書としては定番中の定番の本です。その著者のPeter Ladefogedが2006年に亡くなったので,この本の改訂はもう無いんだろうなあと思っていたのですが,Keith Johnsonが引き継ぐんですね。




ちなみに,A course in phoneticsに関しては,第3版の翻訳が出ています。

音声学概説音声学概説
(1999/11)
ピーター ラディフォギッド

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原典のほうは改訂が重ねられても,翻訳のほうはそう度々改訂版は出ない・・・というのはまあ,しょうがないのでしょうね・・・。

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