マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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アクセント句とは何か?
「アクセント句」という用語が、私のこれまでの論文にはよく出てきます。私の博士論文のメインタイトルはずばり、「朝鮮語ソウル方言におけるアクセント句」ですし。でも、今になって、「アクセント句」とはいったい何なのか、よくわからなくなってきています。ここのところ論文を読んでいて、そのへんにちょっと進展があり、ここにまとめてみたくなりました。

私が韓国語(ソウル方言)に関する論文の中で「アクセント句」と言うとき、ある意味では、それは極めて明確でした。つまり、Jun, Sun-Ah氏の言うAccentual Phraseとイコールだということです。Jun, Sun-Ah氏は、今日のソウル方言の韻律研究において代表的な人物です。私のこれまでの研究は、基本的には彼女のモデルをたたき台にし、そこに見出される問題点からスタートして新たな方向を切り開いていこうするものだったので、多くの概念は彼女のものをそのまま用いていたわけです。

では、Jun, Sun-Ah氏にとってのアクセント句(Accentual Phrase)とは何かというと、ソウル方言において(ほぼ)一定のピッチパターンを決定する単位のことです。(ただし、このピッチパターンにはかなりの変異形があるので、「一定の」とは言いがたい部分もあります。)彼女のモデルでは、ソウル方言の韻律には二段階の句(アクセント句とイントネーション句)が仮定されるのですが、このうちの下位のほうです。ちなみに、イントネーション句は境界音調(boundary tone)のドメインとなる単位です。(これらについて、詳しくは、私の博士論文朝鮮語研究会の発表要旨をご覧ください。)

さて、このJun, Sun-Ah氏のアクセント句(Accentual Phrase)は、Pierrehumbert and Beckman (1988: 以下、P&B)が日本語東京方言に関して言っているaccentual phrase(こちらは小文字)と無関係ではないでしょう。なにしろ、Jun, Sun-Ah氏はBeckmanの教え子ですから。ただし、Jun, Sun-Ah氏のアクセント句が、P&Bからアイディアを得たことはほぼ間違いないとしても、Jun, Sun-Ah氏(および私)が韓国語ソウル方言に関して言うアクセント句と、P&Bが日本語東京方言に関して言うアクセント句は、かなり異なる性格を持ったものです。

そもそも、P&Bにおいて、日本語東京方言におけるアクセント句は、以下の二つの特徴を持つものとして定義されます。
・L%のドメイン
・アクセント核をゼロないし一つ有する単位
(この定義自体、かなり理論的な論点を含んだものですが、そのへんの話はここではやめておきましょう。)

ここでL%というのは一種の句音調とみなせます。ソウル方言における一定の音調も、句音調と呼びうるものなので、この点では両言語のアクセント句は同じと言ってよいでしょう。しかし、二つ目の点(アクセント核に関して)は、明らかに違います。ソウル方言はいわゆる無アクセントの言語で、「アクセント核」に相当するものがありませんから。

さて、話が長くなりましたが、ここまでは私が今まで理解していたことです。書きたかったのはこの先です。実は、私がここ最近混乱していたのは、「アクセント句」という用語が、どうもP&Bとは関係ないところでも使われているようだということを知ったからです。でも、その場合の「アクセント句」が何であるのか、そして、誰が最初に言うようになったのかがよくわかりませんでした。

そんななか、昨日、以下の論文を読んでいて、糸口が見えました。
羅聖淑(1974)「韓国語大邱方言の音韻 ― アクセントを中心に ―」『言語研究』66, 1-44.
この論文では、「アクセント句」という用語を用いるとともに、この用語について次のように書いています(p.15)。

早田(1973, p.143)によるアクセントの現象を記述するために用いたもので、基底形式において ##__## の脈絡にありかつその中に##を含まない記号列を「アクセント句」という。

早田(1973)というのは参考文献欄に挙げられていないので、おそらく参考文献欄に挙げられている早田(1971)の誤りでしょう。早田(1971)は今手元にないのですが、早田氏の別の論文(『言語研究』66, 1974年)に、早田(1971)の引用を発見しました(p.77)。

"Each lexical category (e.g., noun, verb, adjective) and each category that dominates a lexical category (e.g., sentence, noun phrase, verb phrase) has word boundaries associated with it, designated with the symbol #, to the left and to the right of the string which it dominates. ..."accentual phrase" [is defined] as a string contained in the context ##__## and containing no occurrences of ##." (P.143)

羅(1974)における言及と一致します。

要するに、早田氏が1971年にアクセント句という概念を提案しているということです。このアクセント句が何なのかは、上の引用だけではいまいちよくわかりません。1971年の論文を読んでみる必要がありそうです。

さて、いくつか疑問があります。まず、P&Bの「アクセント句」は早田(1971)に由来するものなのか?おそらく、違うでしょう。P&Bには、早田(1971)をはじめ、早田氏の論文への言及はいっさいありません(P&Bはけっこう日本で出た論文を見ている方ですが)。次の疑問は、P&Bのアクセント句と早田(1971)のアクセント句は全く異なるのか、というものです。これについては、早田(1971)のアクセント句をわたしがまだ理解していない以上、何とも言えません。互いに影響を与えていないのであれば、全く異なる可能性もあります。でも、どちらも日本語の分析から生まれているので、似ているかもしれません。

いずれにしても、今日の研究で用いられている「アクセント句」という概念には、どうやら二つの異なる系譜がありそうです。このへんは、注意した方がよさそうです。
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韓国語の音声学・音韻論用語
昨日の記事Handbook of Speech Perceptionを読む勉強会のことを書きましたが、実を言うとその第1回の担当者は私です。自分の英語を読むスピードの遅さにいらだちながらも担当箇所(第6章)を読み終え、そのハンドアウトもなんとか作ったところです。

発表は韓国語でするので、ハンドアウトも基本的に韓国語で作成しました。韓国語で何と言うのかわからない専門用語がけっこうあり、以下の本が大活躍です。

구희산, 고도흥 외 공편 (2001) 음성과학 용어번역사전. 한국문화사.

韓国でも日本と同じように訳語はたいてい漢字語なのですが、日本と異なる漢字語で訳されるものがけっこうあります。気がついたものをいくつか。






英語日本語韓国語
feature素性자질 (資質)
representation表示표상 (表象)
cueキュー단서 (端)
syllable initial音節頭음절초 (音節初)
place of articulation調音点조음위치 (調音位置)


よく調べれば、もっとたくさんあるでしょう。私は調べるのがだんだん面倒になってきて、結局、専門用語の大部分は英語のままにしました。それでもきっと専門家には通じるでしょう、、、

Handbook of Speech Perception
こちら韓国でいくつかの勉強会に参加しているのですが、そのうちの一つで来週から新しい本を扱います。


Handbook of Speech Perception (Blackwell Handbooks in Linguistics) Handbook of Speech Perception (Blackwell Handbooks in Linguistics)
(2005/04/30)
Blackwell Pub
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2005年出版なのでまだ新しい本です。まだちょっとしか見ていないので、内容について現時点では特に何とも言えませんが、今後おりにふれて紹介していきます。

・・・というわけで、内容の何もない書評でした。(単にブログの新機能を使ってみたかっただけです。)

オープンアクセス
論文の無料公開は著者にとっても利益になるというブログの記事を読みました。オープンアクセスに関する話です。

私の専門分野の世界は、これよりも何段階も遅れている気がします。ごく一部にはオープンアクセスもあります。言語学・音声学の国際誌の多くは、オンラインジャーナル化されていて、所属機関がそのジャーナルを購読していれば、ダウンロードすることができます(はじめてダウンロードしたとき、何て便利なんだろうと思いました)。でも、国内の学会誌の場合、インターネット上から得られるのは論文の目次ぐらいです。さらに、学会によっては、ホームページを持っていないところすらあります。

それはともかく、このオープンアクセス。利用する側からすればとても便利ですし、こういう動きは広がってほしいです(特に海外にいると、日本の論文を入手することの面倒さを実感します)。でも、現実的にはいろいろ難しい面があるんでしょうね。出版社からすれば、ただで公開しては儲からない。学会が出している学会誌の場合、会員であるかどうかに関わらず論文が自由にダウンロードできたら、会員であることのメリットが少なくなり、会員が減ってしまうかもしれない。このへんがきっと問題になるのでしょう。


上野 (1992)
上野善道(1992)「昇り核について」『音声学会会報』199.
を読みました。

議論の大きなポイントは、昇り核の規定に関して、順行的規定(そこから昇る)と逆行的規定(その前を下げる)のどちらがよいかということです。この点に関しては、上野先生自身、逆行→順行というように、考え方に変遷があったようです。(確かに、上野 1977(岩波講座)では逆行的規定をしています。p.300)この論文では、大西(1989)の議論をふまえ、やはり順行的規定でよいと論じています。

さらに、後半では、昇り核の特異性について論じています。昇り核のある方言(雫石方言など)では、有核でのみ言い切り形が下降調になります。これについてこの論文では、昇り核が通時的に下げ核から変化したもので、その名残を今もとどめているためだとしています。

私が一つ興味を持ったのは、昇り核がアップステップを引き起こさないようだという点です(アップステップという用語は用いられていませんが)。とても単純に考えれば、東京方言で下げ核が二つ並ぶとダウンステップが生じるように、昇り核を持つ方言で昇り核が二つ並べばアップステップが生じることが予測されます。でも、この論文を読む限り、どうもそうではなさそうです(p.7左、p.8右~p.9左 参照)。

アップステップというのは、言語によっては確かにあるようです。Kenstowicz and Sohn (1997)は、韓国語大邱方言にアップステップがあると報告しています。日本語の昇り核は、きっとこれとは異なるメカニズムが働いているのでしょう。

김차균 (2002) 第7章~第10章
김차균 (2002) の第7章~第10章のメモです。第6章までについては、以前の記事にまとめてあります(第1章~第4章第5章第6章)。11章以降はほとんど資料なので、主要な部分はとりあえず読み終えたというわけです。さて、以下はそのメモです。

第7章:表現的な長音節化
この章は強調など語彙的ではない要因によって生じる長音化について扱っています。この本の他の章とはだいぶ異なる内容です。

第8章:文法形態素と声調表示
助詞や用言の語尾がどのような声調を持っていて、体言や用言の語幹とくっつくことで、どのように変化するかを扱っています。ここで書かれていることを私なりに整理しなおしてみます。

例えば、星州方言を例にとってみます。(1)は、平声形に助詞がついたものです。(p.82の(105)より)
(1) a. 밭은 HM
    버리는 MHM
    새드래는 MMHM
  b. 밭에서 HMM
    버리에서 MHMM
    새드래에서 MMHMM
これは、밭 [H]、버리 [MH]、새드래 [MMH]に助詞은/는 [M]、에서 [MM]がついたと解釈できます。これは最も単純なケースです。(ただし、第9章に出てくるように、에서には平声化という現象があるので、典型的な例とはいえないのかもしれません。)

一方、助詞부터がついた場合は、これとは異なります。
(2) 밭부터 MHM
  버리부터 MMHM
  새드래부터 MMMHM
この例は、부터が은/는や에서とは異なり、HMという声調を有していることを示唆しています。

さらに興味深いのは、助詞の声調の現れ方が、名詞の声調形によって異なるということです。하고というHMの助詞が、前の名詞によってどのように変わるかを見てみましょう。
(3) a. 平声形の名詞+助詞: 버리하고 MMHM
  b. 平仄形の名詞+助詞: 애비하고 HMMM
  c. 去声形の名詞+助詞: 이미하고 HHMM
  d. 上声形の名詞+助詞: 대추하고 H:HMM
どういうことかというと、助詞の本来の声調は、平声形の後 (3a) にだけ現れ、それ以外の (3b)~(3d)ではMMのタイプの助詞と同じになってしまうわけです。つまり、中和が起きるわけです。

用言の語幹+語尾の場合も基本的には同じです。

第9章:第一成分の平声化
基底で第一音節が平声以外であるものが、ある種の環境で平声に変わるという現象を扱っています。例えば、몸は去声であるにもかかわらず、에、에서のように에ではじまる助詞がつくと平声に変わるのだそうです。

他にもいろいろなケースがありますが、もう一つ興味を持ったのは、語幹が1音節からなる上声の用言の多くに起きる平声化です。この種の用言は、母音で始まる語尾の前で平声化するのだそうです。例えば、次のような例があります。
(4) a. 삼는다 LMM(固城) H:MM H:HM(星州) (訂正:2006年6月4日)
  b. 삼았다 HMM(固城) HMM(星州)
ここでは、(4b)で平声化が起きています。

第10章:用言の声調変動
この章で扱われているのは、用言の声調形が後に来る語尾によって変動するという現象についてです。
10.2 1音節平声用言
この種の用言には、声調が変動するものとしないもの(固定)があります。固定のタイプは、(語幹が)子音で終わるものの大部分と母音で終わるものの一部だそうです。この節の最初のところで変動と固定を具体例を挙げて比べたあと、後半では固定のタイプの例が列挙されています。変動のタイプは、14章で改めてまとめられているようです。
10.3 1音節変動上声用言
1音節上声用言の大部分は、語尾が母音ではじまるときに平声化します。(これは第9章でも述べられていたことです。)
10.4 1音節固定上声用言
これはまれな例だそうです。具体例が列挙されています。
10.5 1音節去声用言
このタイプの用言は例外なく固定であるが、星州方言において母音ではじまる語尾がつくとき、縮約に伴って変動が起きることがあるそうです。
10.6 多音節用言
3音節以上:複合語を除けば変動はない。
2音節:少数の例外を除けば変動はない。


最後に私の感想。
私が慶尚道方言に関して研究したいと思っているのは、文レベルで生じる韻律的現象です。ただ、文レベルのことを扱おうとする場合、助詞や用言が出てくることになるので、これらのアクセント(韓国の用語で言えば声調)について理解しておく必要があります。なかなか複雑でやっかいだな、というのが率直な感想です。

김차균 (2002) 第6章
김차균 (2002) の第1章~第4章第5章につづき、第6章のメモです。この章は、これまでの章よりは理解しやすかったです。

第6章に入る前に、これまでのところに関する補足。
傍点法というのがどうも理解しにくかったのですが、p.29の表をおさえておくことで、ある程度理解ができそうです。






声調対応関係(김차균 2002:29, 拙訳、一部省略・変更)
声調名中世国語星州方言固城方言
平声LHH
仄声去声HMM
上声RM:L

M:は、もとの本ではMの下に点二つがついたものです。
どうも、上声が出てくると「上」だから高いような気がしてしまうのが、私自身の混乱のもとになっていたようです。星州方言(慶尚北道)では去声と上声はともにMで、上声の方は長くなります(点二つは長音を意味しているらしい)。一方、固城方言(慶尚南道)では、上声はLで、去声とは高さで区別されます。このへんのことは、第6章でも出てきます。

さて、第6章。

6.1:東南部慶尚南道方言の音調形認識
ここでは昌原方言をとりあげています。ポイントは、LMとMHがこの方言で弁別的であるにも関わらず、多くの研究者(例えば、김정대 2001)がこの違いを無視してきたということ。

6.2:西南部…
こちらも上と同様にLMとMHの違いが述べられ、批判の対象として최명옥 (2000)が挙げられています。
もう一つのポイントは、西南部慶尚南道の晋州方言において、60才以下の話者で年齢が下がるほど、LMMとMHMの区別をしなくなっているということ。これに関連して、日本の論文(大江 1977、早田 1978、福井 2000)にも言及しています。LMMとMHMを弁別する話者もいて、その弁別が上の3つの論文にちゃんと記述されていると。
(見方を変えれば、大江 1977等に記述されているのは古い世代のアクセントで、若い世代はこれとは異なるということですね。)

6.3:星州方言の…
星州方言では上声形がHHMないしMHMとなり、第1音節が長くなる。そのため、音調の面では、去声形HHMや平仄形MHMとの区別が難しいが、第1音節の長さで区別される。…これが一つのポイントです。
もう一つのポイントは、星州の隣、大邱の若い世代のアクセントについて。この世代では、上声形と去声形の対立が失われているそうです。

6.4:音声形認識の音響的証拠
ここでは、F0と持続時間を測定し、上に述べたピッチおよび長さの差異を音響的に検討しています。結論は、上に述べたことと一致するということです。ただし、私の目から見れば、方法論的に厳密さに欠ける部分があるので、さらなる検討の余地がありそうです。

高麗大図書館にある日本の言語学関連雑誌
高麗大図書館 (서창キャンパスを除く)にある日本の言語学関連雑誌を調べました。
そのメモです。

『言語研究』(日本言語学会)
・중앙도서관 / 연간물서고 / v. 51(1967)--v. 84(1983) 496.05 언어연

『月刊 言語』(大修館書店)
・중앙도서관 / 연간물서고 / v. 1.1(1972.4)--v. 3.12(1974.12) 405 언어c-1
・중앙도서관 / 연간물서고 / v. 9.1(1980.1)--v. 35:3(2006.3)-- 결호있음
405 언어c

『アジアアフリカ言語文化研究』(東京外大AA研)
・중앙도서관 / 연간물서고 / v. 21(1981.3)--v. 65(2003.3)-- 결호있음
905 아지아
・중앙도서관 / 아연도서실 / v. 1(1968)--v. 36(1988) 결호있음 905 아시아
・중앙도서관 / 민족문화연구원 / v. 8(19uu)--v. 69(2005.3) 결호있음 905 아시아

『朝鮮学報』(朝鮮学会)
・중앙도서관 / 연간물서고 / v. 1(1951.5)--v. 195(2005.4)-- 결호있음 953.005 조선학
・중앙도서관 / 아연도서실 / v. 1--v. 130(1989) 결호있음 953.005 조선학
・중앙도서관 / 민족문화연구원 / v. 1(1951.5)--v. 197(2005.10)-- 결호있음 953.005 조선학

日本で発表された慶尚道・全羅道アクセントの文献 Ver. 1.1
昨日書いた記事を若干修正しました。(菅野 1972 を追加)
それと、英語で書かれた論文もあるので、タイトルは「日本語で…」ではなく「日本で発表された…」とした方が正確ですね。

慶尚北道


大邱 (대구)



羅聖淑 (1974) 「韓国語大邱方言の音韻 ― アクセントを中心に」『言語研究』66, pp.1-44.

大江孝男 (1976) 「大邱方言におけるアクセントの型と長母音」『言語研究』69, pp.16-35.

羅聖淑 (1977) 「韓国語大邱方言のアクセント型の対立について」『言語研究』71, pp.63-66.

大江孝男 (1977) 「大邱方言におけるアクセントの型と長母音(補説:羅聖淑氏の「コメント」について)」『言語研究』72, pp.87-97.

金善姫 (1993) 「複合語から見る大邱方言のアクセントの特徴」『アジア・アフリカ文法研究』22.

金善姫 (1995) 「韓国語大邱方言の韻律の研究 : 音響音声学的観点からの分析」筑波大学博士論文.

李連珠 (1998) 「韓国語テグ方言のアクセント体系」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

李連珠 (2000) 「大邱方言のアクセント体系 ― 若年層を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

李連珠 (2002) 「韓国語大邱方言アクセントの音韻論的解釈」『東京大学言語学論集』21.

李連珠 (2004) 「韓国語の漢字語及び漢字1字1字のアクセント ― 慶尚道大邱方言を対象にして ―」『東京大学言語学論集』23.

孫在賢 (2005) 「韓国語大邱・慶州方言の用言アクセント」『東京大学言語学論集』24.

慶州 (경주)



孫在賢 (2005) 「韓国語大邱・慶州方言の用言アクセント」『東京大学言語学論集』24.

漆谷 (칠곡)



梅田博之 (1960) 「慶尚北道漆谷方言(朝鮮語)のアクセント」『名古屋大学文学部研究論集』XXV(文学9)pp.11-28.

慶尚南道


釜山 (부산)



久保智之 (1993) 「疑問詞のスコープを表わす高く平らなピッチ ― 朝鮮語釜山方言・晋州方言についての報告 ―」『アジア・アフリカ文法研究』22, pp.93-108.

朴宗姫 (1997) 「韓国語釜山方言のアクセント研究」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

朴宗姫 (2000) 「韓国語釜山方言の複合語のアクセント研究 ― 4音節の複合名詞を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

姜英淑 (2002) 「韓国の釜山方言のアクセント研究」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

晋州 (진주)



大江孝男 (1977) 「晋州方言のアクセントの型について」『言語研究』71, pp.1-20.

Hayata, Teruhiro (1978) The accentual system of the Jinju dialect of Korean. 『九州大学文学部紀要』15. (日本語訳:早田 1999 所収)

久保智之 (1993) 「疑問詞のスコープを表わす高く平らなピッチ ― 朝鮮語釜山方言・晋州方言についての報告 ―」『アジア・アフリカ文法研究』22, pp.93-108.

昌寧 (창녕)



廷換 (1996) 「朝鮮語慶尚道方言のアクセントの体系化 ― 昌寧方言を中心に ―」東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻 修士論文.

廷換 (2000) 「韓国語昌寧方言のアクセント体系 ― 体言を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

居昌 (거창)



福井玲 (1992) 「慶尚南道居昌方言のアクセント体系について」『明海大学外国語学部論集』4, pp.15-24.

その他



姜英淑 (2004) 「西部慶尚南道方言のアクセント体系」『東京大学言語学論集』23, pp.45-70.

姜英淑 (2005) 「韓国語の東部慶尚南道方言のアクセント体系」『東京大学言語学論集』24, pp.79-97.

全羅北道


全州 (전주)



李文淑 (2002) 「韓国語全州方言の音調に関する考察」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

李文淑 (2003) 「韓国語全州方言のアクセント」『東京大学言語学論集』22.

李文淑 (2004) 「全州方言における2・3音節漢字語のアクセント」朝鮮語研究会(編)『朝鮮語研究2』くろしお出版.
(下にリンクあり)

全羅南道


光州 (광주)



李文淑 (2005) 「全羅南道光州方言の音調について」『東京大学言語学論集』24.

求禮 (구례)



福井玲 (1998) 「全羅南道求禮郡のアクセントについて ― 中間報告 ―」朝鮮語研究会第149・150回記念大会発表要旨集 pp.203-209.

光陽 (광양)



福井玲 (1999) 「全羅南道光陽市津上面のアクセント」『アジア・アフリカ文法研究』27, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

麗水 (여수)



田村宏 (1985) 「朝鮮語全羅南道麗水方言のアクセントについて」『九大言語学研究室報告』6, 九州大学文学部言語学研究室, pp.47-55.

全般・その他



服部四郎 (1968) 「朝鮮語のアクセント・モーラ・音節」『ことばの宇宙』3-5, pp.84-90.

菅野裕臣 (1972) 「朝鮮語慶尚道方言アクセント体系の諸問題」『アジア・アフリカ語学院紀要』3, アジア・アフリカ語学院, pp.83-96.

Hayata, Teruhiro (1974) Accent in Korean: Synchronic and diachronic studies. 『言語研究』66, pp.73-116.(日本語訳:早田 1999 所収)

Hayata, Teruhiro (1976) On long vowels in the Kyengsang dialects of Korean. 『言語研究』69, pp.1-15.(日本語訳:早田 1999 所収)

Hayata, Teruhiro (1976) An attempt at a family tree for accent in some Korean dialects. 『文学研究』73, 九州大学文学部, pp.1-26.(日本語訳:早田 1999 所収)

橋本萬太郎 (1978) 『言語類型地理論』弘文堂.

上野善道 (1984) 「N型アクセントの一般特性について」『現代方言学の課題 第2巻 記述的研究篇』明治書院, pp.167-209.

早田輝洋 (1999) 『音調のタイポロジー』大修館書店.
(下にリンクあり)

福井玲 編 (2000) 『韓国語アクセント論叢』東京大学大学院人文社会科学研究科附属文化交流研究施設 東洋諸民族言語文化部門.

福井玲 (2000) 「韓国語諸方言のアクセント体系について」福井編 (2000) 所収.

孫在賢 (2003) 「韓国語慶尚道方言のアクセント」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.



以下は、アマゾンへのリンクです。




日本語で書かれた慶尚道・全羅道アクセントの文献
日本語で書かれた慶尚道・全羅道アクセントの文献を整理しています。重要な論文でぬけているものがありましたら教えてください。

慶尚北道


大邱 (대구)



羅聖淑 (1974) 「韓国語大邱方言の音韻 ― アクセントを中心に」『言語研究』66, pp.1-44.

大江孝男 (1976) 「大邱方言におけるアクセントの型と長母音」『言語研究』69, pp.16-35.

羅聖淑 (1977) 「韓国語大邱方言のアクセント型の対立について」『言語研究』71, pp.63-66.

大江孝男 (1977) 「大邱方言におけるアクセントの型と長母音(補説:羅聖淑氏の「コメント」について)」『言語研究』72, pp.87-97.

金善姫 (1993) 「複合語から見る大邱方言のアクセントの特徴」『アジア・アフリカ文法研究』22.

金善姫 (1995) 「韓国語大邱方言の韻律の研究 : 音響音声学的観点からの分析」筑波大学博士論文.

李連珠 (1998) 「韓国語テグ方言のアクセント体系」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

李連珠 (2000) 「大邱方言のアクセント体系 ― 若年層を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

李連珠 (2002) 「韓国語大邱方言アクセントの音韻論的解釈」『東京大学言語学論集』21.

李連珠 (2004) 「韓国語の漢字語及び漢字1字1字のアクセント ― 慶尚道大邱方言を対象にして ―」『東京大学言語学論集』23.

孫在賢 (2005) 「韓国語大邱・慶州方言の用言アクセント」『東京大学言語学論集』24.

慶州 (경주)



孫在賢 (2005) 「韓国語大邱・慶州方言の用言アクセント」『東京大学言語学論集』24.

漆谷 (칠곡)



梅田博之 (1960) 「慶尚北道漆谷方言(朝鮮語)のアクセント」『名古屋大学文学部研究論集』XXV(文学9)pp.11-28.

慶尚南道


釜山 (부산)



久保智之 (1993) 「疑問詞のスコープを表わす高く平らなピッチ ― 朝鮮語釜山方言・晋州方言についての報告 ―」『アジア・アフリカ文法研究』22, pp.93-108.

朴宗姫 (1997) 「韓国語釜山方言のアクセント研究」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

朴宗姫 (2000) 「韓国語釜山方言の複合語のアクセント研究 ― 4音節の複合名詞を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

姜英淑 (2002) 「韓国の釜山方言のアクセント研究」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

晋州 (진주)



大江孝男 (1977) 「晋州方言のアクセントの型について」『言語研究』71, pp.1-20.

Hayata, Teruhiro (1978) The accentual system of the Jinju dialect of Korean. 『九州大学文学部紀要』15. (日本語訳:早田 1999 所収)

久保智之 (1993) 「疑問詞のスコープを表わす高く平らなピッチ ― 朝鮮語釜山方言・晋州方言についての報告 ―」『アジア・アフリカ文法研究』22, pp.93-108.

昌寧 (창녕)



廷換 (1996) 「朝鮮語慶尚道方言のアクセントの体系化 ― 昌寧方言を中心に ―」東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻 修士論文.

廷換 (2000) 「韓国語昌寧方言のアクセント体系 ― 体言を中心に ―」福井編 (2000) 所収.

居昌 (거창)



福井玲 (1992) 「慶尚南道居昌方言のアクセント体系について」『明海大学外国語学部論集』4, pp.15-24.

その他



姜英淑 (2004) 「西部慶尚南道方言のアクセント体系」『東京大学言語学論集』23, pp.45-70.

姜英淑 (2005) 「韓国語の東部慶尚南道方言のアクセント体系」『東京大学言語学論集』24, pp.79-97.

全羅北道


全州 (전주)



李文淑 (2002) 「韓国語全州方言の音調に関する考察」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.

李文淑 (2003) 「韓国語全州方言のアクセント」『東京大学言語学論集』22.

李文淑 (2004) 「全州方言における2・3音節漢字語のアクセント」朝鮮語研究会(編)『朝鮮語研究2』くろしお出版.
(下にリンクあり)

全羅南道


光州 (광주)



李文淑 (2005) 「全羅南道光州方言の音調について」『東京大学言語学論集』24.

求禮 (구례)



福井玲 (1998) 「全羅南道求禮郡のアクセントについて ― 中間報告 ―」朝鮮語研究会第149・150回記念大会発表要旨集 pp.203-209.

光陽 (광양)



福井玲 (1999) 「全羅南道光陽市津上面のアクセント」『アジア・アフリカ文法研究』27, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

麗水 (여수)



田村宏 (1985) 「朝鮮語全羅南道麗水方言のアクセントについて」『九大言語学研究室報告』6, 九州大学文学部言語学研究室, pp.47-55.

全般・その他



服部四郎 (1968) 「朝鮮語のアクセント・モーラ・音節」『ことばの宇宙』3-5, pp.84-90.

Hayata, Teruhiro (1974) Accent in Korean: Synchronic and diachronic studies. 『言語研究』66, pp.73-116.(日本語訳:早田 1999 所収)

Hayata, Teruhiro (1976) On long vowels in the Kyengsang dialects of Korean. 『言語研究』69, pp.1-15.(日本語訳:早田 1999 所収)

Hayata, Teruhiro (1976) An attempt at a family tree for accent in some Korean dialects. 『文学研究』73, 九州大学文学部, pp.1-26.(日本語訳:早田 1999 所収)

橋本萬太郎 (1978) 『言語類型地理論』弘文堂.

上野善道 (1984) 「N型アクセントの一般特性について」『現代方言学の課題 第2巻 記述的研究篇』明治書院, pp.167-209.

早田輝洋 (1999) 『音調のタイポロジー』大修館書店.

福井玲 編 (2000) 『韓国語アクセント論叢』東京大学大学院人文社会科学研究科附属文化交流研究施設 東洋諸民族言語文化部門.

福井玲 (2000) 「韓国語諸方言のアクセント体系について」福井編 (2000) 所収.

孫在賢 (2003) 「韓国語慶尚道方言のアクセント」東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 修士論文.



以下は、アマゾンへのリンクです。





김차균 (2002) 第5章
김차균 (2002) の第4章までに関するメモを以前の記事に書きました。今回は第5章です。
(来週の勉強会でここまでのところを扱います。以前に書いた勉強会とは別の勉強会です。)

第5章:動的な観点と語節資料の測定および分析
ここでいう「動的な」というのは、フォーカスなどの影響により音調の高さが変わったり、個々の発話によって少しずつ物理的な高さが違うことを言っているのだと思います。川上蓁先生や上野善道先生の動的アクセントとは関係ないはずです。

この章の最初の5.1で、フォーカスの話が出てきます。フォーカスが置かれず弱化した語節では、高い部分が通常よりも高くないとのこと。これはわかります。加えて、低い部分が通常よりも低くないそうです。これは気になります。このへんは私にとって興味のある部分ですが、詳しくは김차균 (1978) あたりをさらに読む必要がありそうです。

5.2では참새새끼, 참새새끼다を例に、F0の測定値を示すとともに、これを音楽の音階に変換する方法を示しています。音階の話はともかく、ここで示されているF0値のデータは興味をそそります。おもしろいことに気がついたのですが、自分の今後の研究に直接つながってくるかもしれないので、ここにはちょっと書けません。

研究者版「人生ゲーム」
理系白書:思わず熱中!?研究者版「人生ゲーム」 成功つかめるか

こんな記事をみつけました。ちょっとやってみたい。でも、今歩んでいる人生そのものがこのゲームと同じようなものだから、別にいいかな、、、

確かに、昔は研究者の人生というものがどういうものか、想像がつきませんでした。私が研究者というものに興味を持つようになったのは、たしか高校生の頃だったと思います。でも、今にして思えば、当時の自分は研究者についていったい何を知っていただろうか、と思うのです。おそらく、当時読んだ湯川秀樹の自伝『旅人』の世界ぐらいだったと思います。(この本は今でも大好きな本ですが、なにしろ戦前の話なので、現代の研究者の「現実」を理解する上ではあまり参考にならないと思います。まして自分は文系だし。)



研究者というもののイメージが少しずつつかめるようになったのは、大学院に入り、実際に研究者の卵として活動を始めるようになってからだと思います。

それにしても、上の記事で、お金ではなく時間がゲームの鍵をにぎるというのは、確かに、と思いました。時間というのはとても大事で、私なんかはそれを求めて韓国に来たようなものです。今、その手にした時間を有効に使えているかどうかは疑問ですが。

말소리 第57号
大韓音声学会の学会誌『말소리』 第57号がとどきました。

韓国語の音声に関する論文は、2番目の論文ひとつだけです。この雑誌はここのところ、音声教育関係と工学系の論文が増えたような気がします。

さて、韓国語の音声に関する唯一の論文は、私が今所属している研究室の同僚によるもので、前からだいたいの話は聞いていました。内容は、大邱方言における母音の世代差に関するものです。

大邱方言は、ㅓとㅡを区別せず、そのため母音がソウルより一つ少ない6母音だと言われていました。この論文では、若い世代はㅓとㅡを区別していることを、音響分析により明らかにしています。さらに、このような若年層における変化は、ソウル方言の影響だろうと論じています。

学会のホームページで原文検索ができるようになっていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。ただし、最新号はまだ登録されていないようなので、もうちょっと待ったほうがいいでしょう。

Selkirk (2002)
明日の勉強会で以下の論文を扱うということなので、今日その予習をしました。(なにしろ、英語の論文を見ながら韓国語で説明を聞くので、予習をしておかないとなかなか理解できません。)

E. Selkirk (2002) Contrastive FOCUS vs. presentational focus: Prosodic evidence from right node raising in English. Proceedings of Speech Prosody 2002 (Aix-en-Provence). 643-646.

論文タイトルの中で、一箇所だけFOCUSと大文字になっているのは、誤字ではありません。2通りのフォーカスを区別しているのです。contrastive FOCUSは典型的にはL+H*が現れると言われているもので、presentational focusはH*が現れると言われているものです。

この論文で報告している実験の重要なポイントは、2通りのフォーカスが文末ではなく文中に現れるような分析資料を用いたという点です。より正確に言えば、フォーカスの置かれた箇所よりも後方にピッチアクセントを持つような文を用いているということです。

このような文を用いることでSelkirkが発見したのは、2通りのフォーカスによって、ピッチアクセントの現れ方が異なるだけでなく、その後に来るedge toneの現れ方も異なるということです。つまり、contrastive FOCUSではL-が現れるのに対し、presentational focusではedge toneが現れないとのこと。

この結果は、syntax-phonology interfaceに関する理論的な議論へとつながります。ただ、このへんはよくわかりませんでした。というか、どうせ読んでもわからないだろうと思い、ほとんど読み飛ばしました。そもそも、英語のイントネーションのことはよく知らないし、syntax-phonology interfaceのこともよくわかりません。

ところで、上に書いたようにSelkirkが文中という環境にこだわったのは、文中と文末で現れ方に違いがあるからのようです。つまり、文中で検討してはじめて、edge toneの違いが出てくるわけです。そのへんは、2.3に書かれています。

L+H*とH*に関しては、Ladd (1996)やLadd and Morton (1997)が、範疇的に異なるのではないという議論をしています。このへんの議論と、文中か文末かというのは、関係がありそうです。Laddは文中/文末に関して何か言っているのかな…後で確認してみます。

音声科学 13巻1号
韓国音声科学会の学会誌『音声科学』の最新号が届きました。音声学関連の論文は4編。

韓国音声科学会のページ
(ただし、ログインしないと学会誌の目次が見られないようです。)

Kim Sahyang氏の論文は韻律句境界のキューがword segmentationに役立っているという内容。特に気になったのは、ピッチよりも持続時間と振幅の方がより役立っているという結果。まだ要旨しか読んでいないので、詳しいことはわかりませんが。

Yi Dokyong氏の論文は、慶尚南道出身者による英語のストレスの発音を分析したもの。これ自体に私は関心がないのですが、参考文献に慶尚道方言の韻律研究に関する(英語で書かれた)論文が挙げられていて、参考になりました。


  • 慶尚北道(おそらく大邱)方言の韻律の基底表示・表層表示・および規則について


    • Hayata, T. (1974)

    • Chung, K. (1980)

    • Kim, N.J. (1997)

    • Kenstowicz, M. and H.S. Sohn (2000)

    • Sohn, H.S. (2001)


  • 外来語のアクセンチュエーション(慶尚北道方言)


    • Kenstowicz, M. and H.S. Sohn (2000)

    • Sohn, H.S. (1999)

    • Kim, G.R. (1988):これは김차균 (2002)でも言及されていました。

    • Chung, Y.H. (1991)


  • 外来語のアクセンチュエーション(慶尚南道方言)


    • Lee, D.M. (2001): 慶尚南道方言の外来語のアクセンチュエーションは、慶尚北道方言のそれと基本的に同じという話。





김차균 (2002) 第1章~第4章
ここのところ、慶尚道方言のアクセント・声調(日本では「アクセント」、韓国では「声調」と呼ぶのが一般的のよう)に興味を持っています。とはいえ、これについてほとんど何も知らないため、まず概略的なことや研究の流れを把握しておきたいと思い、選んだのが以下の本です。

김차균 (2002) 국어 방언 성조론. 서울: 역락.

著者は慶尚道方言の声調研究で有名な人で、その著者による最近の著作が上の本というわけです。

ただ、途中まで読んでみた印象では、上に書いたような目的には向かない本のようです。著者独自の論が最初から展開されています。(しかも、かなり癖のある論という印象を受けました。)

この本では主に扱われているのは、慶尚北道の성주(星州)方言と慶尚南道の고성(固城)方言です。手持ちの地図では位置がよくわからなかったのですが、ウィキペディア韓国語版で慶尚北道と慶尚南道を調べてみると、それぞれ地図が出ていました。星州郡は金泉市の南、固城郡は馬山市の西にあります。

ウィキペディア(韓国語版):慶尚北道
ウィキペディア(韓国語版):慶尚南道

さて、今日とりあえず第1章~第4章まで読み終えました。以下はそのメモです。

第1章:序論

第2章:子音と母音およびその表記法
特にㅅが平音か激音かという問題がやや詳しく扱われています。... この問題は、韓国でも日本でもアメリカでもよく論じられていますが、結局のところ、音韻論的には平音的な特徴を持ち、音声学的には激音的な特徴を持っているわけで、そのどちらをとるかということになると、議論は当然ながら平行線をたどると思います。この問題については、私の博士論文でも言及しています。(そこでは、不完全指定によって解決する立場をとりえあず支持しましたが、、、)

第3章:傍点法と中和
ここでは、傍点法という訓民正音で用いられた方法を現代に復活させて表記しようという提案がなされています。著者の提案する現代慶尚道方言の声調記述における傍点法というのは、この章を読んだだけではよくわかりません。後の章を読んで、少しだけわかってきました。でもまだ、よくわかりません。

第4章:声調形とその実現
ここでは、第3章の傍点法とは別に、HL式の基底表示が示され、そこから表層表示を導く規則が提案されています。基底表示や表層表示の示し方もかなり独特です。私の頭の中はずっと混乱しっぱなしで、星州方言と固城方言の体系が全然つかめません。

ところで、この章の最初の方に出てくる以下の話に興味を持ちました。
記述における基準の重要性をとくところで、同じ語でも先行研究によって記述が違うことが示されている箇所(大邱方言に関して)。以下はその引用です。(p.28 拙訳。なお、傍点は省略。)
(21) 音韻論的高低に対する基準の違い
/참새/, /무지개/, /물사마구/
ㄱ. 김영만 (1986) は「これらの最初の2音節が[高]の高さまでにはならないが、3番目以下の音節より低くはない。」と述べている。他の要素を省略しこれらの高低のみにより表示するならば「참새 [LL]」「무지개 [LLL]」「물사마구 [LLLL]」となりそう。
ㄴ. 김경란 (1988) は「これらは最初の2音節が/노래/(HL)や/까마구/(LHL)における[H]よりは多少低いが、それでもやはり高調である。」と述べている。「소 [H]」「참새 [HH]」「무지개 [HHL]」「물사마구 [HHLL]」と記す。

私が興味を持ったのは、HHLLのようなタイプにおけるHHがさほど高くないという話です。このタイプは、私の理解している限り、慶尚道方言のアクセント研究でよく無核と解釈されるものです。日本語のアクセントの分析に慣れていると、HHLLが無核というのは奇異に感じるのですが、さほど高くないのであれば、納得がいきます。この場合の表示をどうすべきかは、研究を進めていけば解決するでしょう。

短いメモにするつもりが、書いてみたらなんだか長くなってしまいました。そのぶん、時間もかなりかかりました。こんな調子でやっていたら、ブログは長続きしないかも、、、

数学に関する韓国語
ここのところ、数学に関する韓国語を知り合いの韓国人にいろいろ教えてもらいました。知っていても使う機会があるかどうかわかりませんが、、、
以下はそのまとめです。

まずは基本の四則演算(사칙연산)。
+: 더하기
-: 빼기
×: 곱하기
÷: 나누기
1+1は "일 더하기 일" のように言います。

次に指数 (지수)。
2乗: 제곱, 이승, 자승
3乗: 세제곱, 삼승
4乗: 네제곱, 사승
5乗: 오승
4乗までに関しては、最近では固有語の제곱, 세제곱, 네제곱を使うことが多いようです。5乗以上では漢字語の○승を用いるとのこと。

分数は분수, 小数は소수。まぎらわしいのは、素数も소수になってしまうこと。ただし、ハングルでは同じですが、発音は違います。
小数: 소수 [소수]
素数: 소수 [소쑤]
角括弧内が発音です。つまり、素数の方は第2音節が濃音化するということ。話すときはともかく、ペーパーテストなど文字として示された場合に混乱を招くことがないのか、ふしぎです。

まだまだありますが、今回はここまでにします。

テーマ:韓国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

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