マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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SPSSで分散分析:一変量か反復測定か
まず、反復測定とは何かというところから。こういうことを、実験音声学を例にして説明しているものって、なかなかないと思います。

例えば、東京方言において「イ」と「エ」の第一フォルマントを比べたいとします。

反復測定じゃない場合:
東京方言話者を10人集めて、各話者に「イ」を発音してもらう。さらに、別の10人を集めて、各話者に「エ」を発音してもらう。それぞれの第1フォルマントを測定して、比較。

反復測定の場合:
東京方言話者を10人集めて、各話者に「イ」と「エ」の両方を発音してもらう。それぞれの第1フォルマントを測定して、比較。

普通に考えればわかると思いますが、録音して音響分析するというタイプの実験であれば、ふつう反復測定です。実験音声学でも、別のタイプの実験では、反復測定じゃないこともあるかもしれませんが。




こんなことを書いたのは、反復測定ってそもそも何だろうかということを、自分の中で整理しておきたかったからです。

実は今日、SPSSで分散分析をやろうとして、ちょっととまどってしまいました。分析 ― 一般線形モデルを選ぶと、さらに一変量、多変量、反復測定の三つに分かれているのです。多変量はとりあえず関係ないとして、一変量と反復測定のどっちを選べばよいのだろうかと。

…悩んだ挙句の結論、、、どっちでもいいんですよね。

参考になったのは以下のページです。
http://www.interq.or.jp/pluto/tunes/document/VER13_spssprim.doc
5節から6節にかけて。SPSSで乱塊法を行うには二つの方法があるとのこと。

要するに、データビューにおけるデータの並べ方が違うわけです。
・反復測定のメニューを使う場合:標本内因子の水準を横方向に並べる。
・一変量のメニューを使う場合:標本も標本内因子もともに変数とする。(ただし、因子を選択する際に標本を変量因子にする点に注意)

実験の内容が反復測定であるからといって、SPSSのメニューにおいて必ずしも反復測定を選ばなければいけないわけではないようです。
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韓国語版のSPSS
今はSPSSと格闘中。SPSSに関してほとんど初心者である上に(博論の頃はSASを使ってました)、韓国語版なのでたいへんです。用語が日本語版と韓国語版でずいぶん違うようです。今日知ったいくつかの違い;

모수요인:固定因子
변량요인:変量因子
사후분석:その後の検定

ふたたびソウル
先週は一時帰国して東京にいましたが、ふたたびソウルに戻ってきました。帰国する前は、ソウルも東京も同じくらい暑いと思っていましたが、やはり東京のほうがだんぜん暑いですね。違うと感じたのは、夜の暑さ。ソウルでは、寝るときエアコンをつけなくても全く平気ですから。湿度も関係あるのかもしれません。

一時帰国
来週日本にちょっと一時帰国します。日本音韻論学会の音韻論フォーラム2006で学位取得者講演とかいうものをやる予定。一度も参加したことのない(会員ですらない)学会だし、今までの口頭発表とは聴衆の層が多少違うことが予想されるので、ちょっと不安。

ところで、今私が助成を受けている韓国国際交流財団滞韓研究フェローシップというものは、期間中に海外に行く場合に許可を得なければならないことになっています。けっこう面倒なのかなと思ってましたが、許可は案外簡単にとれました(A4の申請書一枚をメールで送っただけ)。海外に行っている間は支給額が減らされるという話がありますが、実際にどうなるかはよくわかりません。

マインドマップ
研究をしていると、情報の整理がうまくつかないことがよくあります。例えば、たくさんの論文を読み進めていくと、それぞれの論文の著者が勝手にいろいろなことを言っていて、いろいろなものを読めば読むほどに混乱していったり。あるいは、自分の考えをまとめてみようとすると、頭の中で考えがぐちゃぐちゃになり、頭を絞っても同じところをぐるぐるまわっているだけだったり。はたまた、論文を書く際、書くべきことの整理がつかず、何からどう書いてよいかわからなくなったり。私なんか、自分はなんて頭が悪いんだろうと思うことがよくあります。

ただ、こうしたことはノウハウを身につけることでかなり改善するものだと、私は信じています。そんなわけで私は、昔から知的活動のためのノウハウに興味を持ってきました。最近興味を持っているのが、ここで紹介する「マインドマップ」というものです。

マインドマップというのは、イギリス人のトニー・ブザン氏が開発した、一種のノートのまとめ方のようなものです。ノートにまとめることが重要だというのは、実際に多くの人がすでに気づいていることだと思います。冒頭に挙げたような問題も、とりあえず紙やパソコンに書き出してみるというだけで、それなりに改善します。ただ、やり方がうまくないと、その効果が十分に望めないわけです。マインドマップというのは、どうすれば効果的にノートにまとめることができるかを追究したものということができると思います。

私がマインドマップのポイントだと思っているのは、以下の4点です。
・キーワードを書き出す。(文章化せず、単語だけを書き出す。)
・階層的に。(キーワード間に階層性を持たせる。)
・中心から放射状に。(上から下に書くのではなく、中心にテーマを書き、そこからキーワードを放射状に書き出していく。)
・グラフィカルに。(絵を入れたり、カラフルにしたりする。)

マインドマップを理解するためにいちばんいいのは、次の本だと思います。

ザ・マインドマップ ザ・マインドマップ
バリー・ブザン、トニー・ブザン 他 (2005/11/03)
ダイヤモンド社

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開発者のトニー・ブザン氏によって書かれた、いわば正統なガイドブックで、単なるノウハウだけでなく、その背後にある考え方までが書かれています。ただ、マインドマップに初めてふれる人にとっては、前置きが長くてなかなか本題に入らないように感じられるかもしれません。

もっと手っ取り早くノウハウを身につけるには、例えば次のような本があります。

図解・マインドマップノート術 図解・マインドマップノート術
SSIブレインストラジーセンター (2005/04/10)
きこ書房

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とりあえずこの本でノウハウを身につけて自分で試してみた上で、より深く理解するために『ザ・マインドマップ』(最初に紹介した本)を読むという順序がいいかもしれません。(そのようなことがAmazonのレビューのどこかに書いてあったので、私自身そうしてみました。)

『ザ・マインドマップ』の本の帯に「あなたの頭が良くなる!」と書かれていたり、『ノート術』の本のタイトルの最初に「人生に奇跡を起こす」とついていたり、いかにも大げさで、人によっては抵抗をおぼえるかもしれません(私自身がそうです)。ただ、やり方自体はとても簡単なので、とりあえず試してみても悪くはないと思います。上の本を読むと、情報をまとめたり論文執筆の準備をする以外にもいろいろ使い道があることがわかります。その中から、使いやすいものをまず試し、徐々に他の用途に拡大していけばいいでしょう。

なお、『ザ・マインドマップ』の訳者解説に、韓国ではマインドマップが義務教育課程で教えられているとありますが、これはどうも本当のようです。私の知り合いの韓国人は、学校で習ったと言ってました。今まで知りませんでしたが、マインドマップってけっこう有名みたいです。

国語・韓国語・朝鮮語
「国語」という名前 ― 自尊と唯我(原文は韓国語)
という韓国日報の記事を読みました。

例えば、イギリス人が自分たちの言葉を「国語」と呼ばず「英語」と呼び、同様にフランス人が自分たちの言葉を「フランス語」と呼ぶのに、韓国人はなぜ自分たちの言葉を「国語」と呼ぶのか、というところから話がはじまっています。イギリスやフランスと異なり、韓国が単一民族国家で少数民族の言語がないというのが、ここで述べられている一つの背景。さらにもう一つの背景として、日本のことが書かれています。

日本において、かつて帝国主義の時代に「国語」という呼び方が持っていた思想的な意味合い。「国語」と「日本語」の使い分け。そして、それと似ていなくもない韓国における「国語」と「韓国語」の使い分け。そういうところに話が向かいます。イ・ヨンスク氏の著作をふまえて論じているようです(私はこの本を読んでませんが)。

「国語」という思想―近代日本の言語認識 「国語」という思想―近代日本の言語認識
イ ヨンスク (1996/12)
岩波書店

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できれば、「国語学会」が「日本語学会」に改称したのに象徴されるような、日本における最近の「国語→日本語」の流れにもふれてほしかったと思います。
参考までに…国語学会―学会名称問題について

記事ではさらに、「韓国語」と「朝鮮語」のことにもふれています。記事ではこんなことが書かれています。


実際、「韓国語」という言葉は1948年に大韓民国政府が樹立した後になってはじめて使われ始めた言葉だ。日帝時代にはこの言語は「朝鮮語」と呼ばれ、解放後にも半島の北側では依然として「朝鮮語」と呼ばれており、日本(と中国)でも長いこと「朝鮮語」と呼ばれてきた。韓半島に二つの国家が樹立した後でも日本で「朝鮮語」という言葉が用いられてきたのは、日本人たちが北側に友好的だからではなく、「朝鮮」という言葉を半島全体の地域の名称として理解しているからだ。しかし、南北両国家の間の均衡が大韓民国の方に大きく傾いたのに加え、韓国側の執拗なロビー活動が受け入れられ、今では日本でも「韓国語」という言葉が広く使われているようだ。


私の経験では、こういった事情、(日本人もそうですが)韓国人にはあまり理解されていないと思います。それだけに、韓国でこういう記事が書かれるのは、きっと歓迎すべきことなのでしょう。

テーマ:韓国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

高麗大民族文化研究院というところ
インディアナの吉田さんのブログに、私が毎日のように見ている風景の写真が出てました。私の所属する研究室のある、民族文化研究院の建物(別名、「韓国学館」)です。吉田さんがこちらにいらしたのが確か7月中旬のこと。その2日後に吉田さんにくっついて晋州に行ったのは、以前の記事に書いたとおりです。

民族文化研究院というところは、吉田さんのブログの写真からもわかるように、韓国の伝統的な建物のつくりをしています(ある人はお寺みたいだと言ってました)。ただ、伝統的な感じなのは外見だけで、建物の中は普通の近代的なつくりです。研究院の中には、韓国語学、韓国文学、韓国史などの研究室が入っているようです。私は自分の研究室以外のことはよく知りませんが。詳しくは研究院のサイトをどうぞ。

他の建物からはかなり離れた、山の上の方にあるので、移動はけっこうたいへんです。ふだんは無料の学内バスが研究院の前でとまるのですが、夏休みの真っただ中のこの時期は、学内バスが運行していない上、とても暑いのでたいへんです。

なんだか、他人のブログの写真をネタにして記事を書いてしまいました。すいません。私はカメラ持っていないもので。

ひとまず実験終了
ここ最近取り組んでいた実験がひとまず終了しました。ソウル(+京畿道)方言話者と東京(+その周辺)方言話者を対象とした知覚実験。今まで以上に被験者の数を必要とする実験でした。

ソウル方言話者については、被験者集めは簡単でした。なにしろ、研究室の人たちがふだんからソウル方言話者を対象とした実験をしょっちゅうやっているわけで、その人脈を利用すればいいわけです。実際、私自身が被験者集めに動かずとも、あっさり必要な人数が集まってしまいました。日本にいた頃ソウル方言話者を探すのに苦労していたのを思うと、これはとても驚くべきことで、韓国に来てよかったと心から思いました。

反対にたいへんだったのが、東京方言話者探し。何しろ、こちらでは普段会うのは韓国人ばかりで、日本人や在日韓国人との接点がほとんどないのです。道端で日本人(もしくは在日韓国人)とおぼしき人を見かけることはしょっちゅうありますが、見ず知らずの人にいきなり話しかけるのもあやしいですし。

そんなわけで、まずとった手段は、
【手段1】数少ない知り合いに紹介してもらう。
これが、知り合いの知り合いへという具合に輪が広がり、少しずつ人が集まり出しました。協力していただいた方々にとても感謝しています。

同じ時期に、
【手段2】学内の掲示板に募集のビラを貼る。
ということもしてみましたが、こちらはあまり効果がなく、来た連絡はごくわずかでした。

さて、ここまでで全て集まったというわけではありません。探しはじめて気がついたのですが、
・東京出身者の割合は案外少ない(いちおう日本でいちばん人口が多いはずなのに…)
・韓国に来ている日本語話者は、なぜか女性が圧倒的に多い(語学に興味を持つのは女性が多いということ?それともヨン様効果?)
…ということのようです。特に問題は2番目でした。今回の実験の被験者は男女同数にしようと計画していたので、男性がなかなか見つからなかったわけです。

そんなわけで、募集の行き詰まりを打開するため、次の手段に乗り出しました。
【手段3】インターネットを利用する。
まず目をつけたのは、
在韓日本語教師メーリングリスト
日本語教育に関する話題ではないので投稿するのをちょっとためらったのですが、他に適当なところを思いつかず、思い切って投稿してみました。
さらに、投稿を見た方に教えていただき、
ソウル日本人会(Seoul Japan Club)
というところの掲示板にも出してみました。

結果は…インターネットの力というのはすごいですね。視点を変えれば、おそろしいとも言えるかもしれませんが。非常に多くの方々からご連絡をいただきました。その多くはやはり女性だったのですが、実際のところ女性に関しては募集を出した直後に必要な人数を確保したため、結果として多くの方にお断りのメールを出すことになってしまいました。男性に関しては、しばらく難航していたのですが、こちらもなんとか集まりました。(メールでご連絡いただいた全ての方々にお返事を差し上げたはずですが、もしかしたらコンピュータに関する何らかのトラブルか、あるいは私の単なる手違いで、返事の届いていない方がいらっしゃるかもしれません、、、なにしろ、本当に多くの方々にメールをいただいたのです。)

今回の実験、研究とは別の面でもとてもよい経験になったと思います。被験者募集の過程での、いろいろな人とメールのやり取り。さらに、被験者として実際に来ていただいた方とは、実験の合間にいろいろ話をしたり。そうして気づかされたのは、いろいろな人がいろいろな動機を持って日本から韓国に来ているのだということです。なんだか、とても励まされる気がしました。

専門という狭い世界の外には違った視点があるんだということにも、改めて気づかされました。例えば、被験者を東京とその周辺の出身者に限定するということ。専門外の人にとっては、必ずしも理解しにくいことかもしれません。このことについては、また別の機会に書いてみたいと思います。

ともあれ、ひとまず実験は終わりました。これでよしとするか、追加のデータをとるか、方向を転換するか、、、ここまでの結果をまとめてから考えてみたいと思います。

被験者として来ていただいた方々、被験者の募集に協力していただいた方々に心から感謝いたします。

テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

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