マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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大学の裏山から
高麗大の裏は山になっています。その山の方からとった写真。

高麗大の裏山から


この写真の下に方に見えるのは,大学の運動場です。木がじゃまですね…

もう1つの写真は,大学病院の方へ向かう道。
民族文化研究院から大学病院へ


右側に見える韓国風の建物が,私の研究室のある民族文化研究院(韓国学館)です。
この写真,おもいっきり逆光です。
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金永萬 (1986):第1章・第2章
金永萬 (1986) 國語超分節音素의 史的硏究. 高麗大學校 博士學位論文.

とりあえずこの論文の第1章と第2章だけ読みました。第1章は序論(研究史の概観),第2章は現代の諸方言について。3章以下は中期語に関することなので,とりあえず今はパス。

この論文では,超分節音素という観点で,韓国語(朝鮮語)の諸方言を以下のように分類しています。
・西部諸方言:平安道,黄海道,京畿道,ソウル,江原道西部,忠清道
・慶南方言:慶尚南道(ただし,울산,울주,거창等北部を除く)
・慶北方言:慶尚北道,慶尚南道の울산,울주,거창等,江原道삼척
・咸鏡方言:咸鏡道,江原道東北部

諸方言のアクセント(韓国の用語では声調),長さについての概観は比較的よくまとまっていると思います。各方言の特徴,および対応関係がわかります。(あるいは,私のこの分野に関する知識が増えてきたため,理解しやすかったのでしょうか。)具体的な体系についてはさほど詳しくありませんが,それはこの論文の関心が共時的な体系ではなく通時的な対応関係にあること,および,そもそも韓国の方言アクセント研究が体系にさほど関心を払わないことによると思います。それはそれでいいと思います。N+いくつとか語声調とか言うことだけがアクセント研究の目標ではありませんから。

私の受けた印象で言うと,韓国語(朝鮮語)の諸方言は,語声調的な特徴と(狭義の)アクセント的な特徴をあわせ持っています。それが,方言ごとに微妙に変化し,語声調的性格の強い方言からアクセント的性格の強い方言までが連続的に分布しているという感じです。アクセント的性格が最も強いのは,この論文を読む限り,咸鏡方言です。一方,語声調的性格が強いのは,この論文からはわかりませんが,他の論文等で知る限り,慶尚南道西部のようです。

今は詳しいことをまとめる余裕がないので,とりあえずこのへんで。

音声学に役立つ、マイクに関するサイト
マイクに関して調べていて、いくつか役に立つサイトを見つけました。

心理学者のための音声収録・分析・呈示テクニック
森大毅氏が「高品質な音声収録のための基礎技術」というところで、マイクについて紹介しています。無指向性のコンデンサマイクがおすすめのよう。近接効果のデモンストレーションはおもしろいです。

audio-technica:MIC Navi
「マイク使いこなし講座」など、マイクに関することがいろいろ。勉強になります。

J.-J. Kim et al. (1997)
Kim, Jong-Jin, Sook-Hyang Lee, Hyun-Ju Ko, Yong-Ju Lee, Sang-Hun Kim, and Jung-Cheol Lee (1997) An analysis of some prosodic aspects of Korean utterances using K-ToBI Labelling system. Proceedings of the International Conference on Speech Processing, pp. 87-91.


JJKim_etal_1997.png


ソウル方言のアクセント句の特徴を、K-ToBIを用いて分析している論文。K-ToBIのVersion 2が発表されたのが1996年なので、その直後であり、Version 3(2000年)よりは前に発表されたものです。Version 2がReferencesにないのは、単に忘れただけなのか、それとも見ていないのか…?

気になった点は二つです。

1. H-(アクセント句第2音節に現れるH。K-ToBI Version 3では+H)の生起位置について
大半は第2音節だが、ときに第1音節に現れることがあるとのこと。第1音節に現れるケースの条件については、言及されていません。

これについては、後の研究を参考にすれば、二通り考えられます。一つは、Lim Byung-Jin氏らがやっていた音節量との関係。つまり、AP第1音節が重音節のときに、第1音節にHが現れることがあるというもの。ただし、私が修士論文で似たようなことをやった経験からいうと、そういうことってそんなにあるのだろうかと、懐疑的です。もう一つは、私が博士論文で扱った、修飾語が1音節からなるようなケース。例えば、"그 ~"とか。ただし、私は、この連鎖で修飾語にピークが現れる場合について、修飾語と被修飾語の間にAP境界があるとみています。

2. AP中のL(K-ToBI Version 3ではL+)の生起位置について
通常は次末音節だが、ときにantepenult(日本語で何て言うんだろう?)に現れることがあるとのこと。これも、上の場合と同様、私の博士論文での解釈においてAP境界があるとみなされるケースではないかという気がします。

具体的な例が示されていないので、何とも言えないのですが。

音声学のための録音機器 (2)
以前に音声学のための録音機器(1)という記事を書いてから、約1ヶ月が経ちました。首を長くして待ったいらした方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、ようやく(2)です。
(だいたいこのブログは、予告しておきながら書いていないことが多すぎるのですが。)

パソコンで録音


前回の記事ではいろいろな機器を紹介しましたが、そういった機器を使わずパソコンで録音するというのも一つの方法です。ノートパソコンならば、持ち運びもできます。こういう方法をとっている研究者は、けっこうたくさんいます。

録音するには、パソコンのマイク端子にマイクをつなぎ、録音のためのソフトウェアを用います。ただし、パソコンでの録音においては、様々な形でノイズが混入しうることに注意する必要があります。(私はこういうことにあまり詳しくありませんが、そうなんだそうです。)
【参考】
英語音声学掲示板(牧野武彦氏)の「録音技術」のスレッド

普通に録音してみてノイズが気になるようであれば、オーディオインターフェースにこだわってみるというのが、一つの方法です。オーディオインターフェースとは、パソコンにおいて音の入出力を担当しているもののことです。もともとパソコンにはオーディオインターフェースがついているのが普通ですが(上に書いたマイク端子にマイクをつなぐというのは、まさにこれを利用しているわけです)、ノイズを減らすには、よりよいものに取り替える(または外付けする)必要があります。
【参考】
オーディオインターフェイスの選び方(All About)
オーディオインターフェイスについて(音楽機材について)

さらに、パソコンで録音するには、ソフトウェアが必要です。Windowsのアクセサリに入っているサウンドレコーダーを用いるという手もありますが、これはちょっといまいちです。音響分析ソフトウェアを用いるか、音声編集用のソフトウェアを用いるといいでしょう。音声編集用のソフトウェアとして代表的なものに、Audacityがあります(フリーです)。
Audacity

ほかにもいろいろソフトがあります。いずれこのブログで取り上げるかもしれません。

デジタルビデオカメラ


録音をするのにデジタルビデオカメラが案外いいんじゃないかと、ある先生が言ってましたが、確かにデジタルビデオカメラには、非圧縮のリニアPCMで録音できるものが多くあります。映像も一緒にとっておきたいような場合には、いいかもしれません。



録音機器については、最近出た『講座社会言語科学 6 方法』という本の以下の章にも詳しく書いてあり、参考になると思います。

小磯花絵 (2006) 「会話データの構築法」伝康晴・田中ゆかり(編)『講座社会言語科学 6 方法』pp.170-186, ひつじ書房.

講座社会言語科学〈第6巻〉方法 講座社会言語科学〈第6巻〉方法
(2006/09)
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あとは、わからないことがあれば専門家に相談することでしょうか。こういう締めくくり方をすると、何と無責任な…と言われたりするのですが、でも機器のことは奥が深いので、専門家に相談するのがやはり一番です。

では私はその専門家かというと…
どうなんでしょうね?
こういうのは相対的な問題だと思いますが、少なくとも、私よりずっとずっと詳しい人はたくさんいます。私の知りうる限りの情報はここにほとんど書いてしまったので、私に聞いてもこれ以上のことはあまり出てこないでしょう、、、

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