マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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ホリールード公園
先日,天気がいいので近所を散歩していたら,知り合いに会いました。散歩をしているんだと言ったら,この先の池には行ってみたかと。私は知らなかったのですが,景色がいいんだとのこと。

そんなわけで,ちょっと足をのばしてその池の方まで行ってみました。

その池があるのはホリールード公園。エディンバラの市街地のすぐ脇にある丘の一帯です。丘はいつも目にするし,すぐ近くにあるのですが,そっちの方まで実際に行ってみたのは初めて。


ホリールード公園1

↑公園の中にある池。案外すぐたどり着きました。


ホリールード公園2

↑こちらも同じ池。良い天気です。


ホリールード公園3

↑先の方にもう1つ池があるという話だったので,そこにも行ってみることに。坂道を上がっていきます。


ホリールード公園4

↑振り返るとこんな感じ。海が見えます。


ホリールード公園5

↑ゴツゴツした形の丘がたくさんあります。


ホリールード公園6

↑そして2つ目の池。奥は海です。

散歩のつもりが,ちょっとしたハイキングになってしまいました。

エディンバラって,古い街並みもいいですが,こういう自然が街のすぐそばにあるのももう1つの魅力だと思います。
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テーマ:イギリス旅行 - ジャンル:旅行

トーンとアクセントに関する論文・論文集
1つ前の記事で書いたDonohueの論文中に,いくつか気になる論文がひかれていました。ちょっとメモしておきます。

Autosegmental Studies on Pitch Accent (Linguistic Models S.)Autosegmental Studies on Pitch Accent (Linguistic Models S.)
(1988/12)
Harry Van Der Hulst、Norval Smith 他

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この論文集,原口先生の論文も収められてます。

もう1つは,

McCawley, J.D. (1978) What is a tone language? In V. Fromkin (ed.) Tone: A Linguistic Survey. New York: Academic Press.

Tone: A Linguistic SurveyTone: A Linguistic Survey
(1978/06)
Victoria Fromkin

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どちらも私は(少なくとも現時点では)読んでいませんので・・・あしからず。

Donohue (1997)
Mark Donohue (1997) Tone systems in New Guinea. Linguistic Typology 1. 347-386.

ニューギニアの諸言語のトーンについて紹介しつつトーンの類型論を論じています。以下は私なりにまとめた要旨。



トーンは類型論的に三つにわけることができる。

1. Syllable-tone: 音節をドメインとしてトーンが指定される。したがって,音節数が増えるほど可能なパタンが増す。ニューギニアの言語では,Telefol語など。他の例としては,北京語。

2. Word-tone: 語をドメインとしてトーンが指定される。したがって,音節数が増えても可能なパタンは基本的に変わらない。ニューギニアの言語では,Kairi語など。他の例としては,Mende語,上海語。

3. Pitch-accent: 語のどれかの音節にアクセントが指定される。それによって他の音節のトーンも自動的に決まる。ニューギニアの言語では,Una語など。他の例としては,日本語(東京方言)。

これらは連続的であり,中間的な言語もある。
例えば,Fasu語は,ストレス音節がHになる型とLになる型とがある。Pitch-accentとword-toneの中間のようである。

また,(ニューギニアの言語ではないけれど)Fuzhou語(福州語?)は,syllable-toneとword-toneの中間である。(複合語の現れ方において,上海語のように単純にいかない。)



・・・こんな感じの内容でした。おもしろい論文でしたが,以下ちょっと気になった点を。

この論文,もとはといえば,斎藤(2001)の中で「早田輝洋と同様の結論に到達している」と書いてあったので,気になっていたものです。(ちなみに早田輝洋の結論というのは,早田(1999)をはじめとする早田先生の一連の著作の中で展開されているもの。)

確かに,Donohueのword-toneと早田先生の「語声調」,よく似てます。というかこれは,例えばKenstowicz(1993)とかGussenhoven(2004)に出てくるようなword melodyとはどう違うのでしょう?

それと,中間的なケースとして出てくるFasu語ですが,スウェーデン語と似ていると思います。実際本文中で,同じタイプとしてスウェーデン語が挙げられています(p.379)。最近はやりの言い方で言えばおそらく,「Fasu語にはH*とL*という2種類のlexical pitch accentがある」ということになるのでしょう。こういう見方をした場合,中間的でもなんでもなく,pitch-accentの一種になるのかと思います。

別の意味で中間的と言えるのは,大阪方言のように,(日本の伝統的な言い方をすれば)式とアクセント核の両方があるタイプの方言でしょう。早田先生はたしか,語声調とアクセントの両方があると見ていたはず。

で,最近しったのですが,原口先生なんかは,大阪方言は基本音調メロディーが2つあると考えるようです(原口 1995)。このアプローチでいくと,スウェーデン語も大阪方言と同じように基本音調メロディーが2つあることになるんじゃないかと。

スウェーデン語と大阪方言,見方によっては全然ちがうタイプですが,別の見方をすると似たような言語と言えるのかも。(別に原口先生の味方をしているわけではなくて,ただ,理論的な分析の仕方次第で類型論的分類っていろいろ変わるものだなあと。)



参照文献(上の文に出てきた順です)
# 概説書ばかりですね・・・。文献をさかのぼっていけば,もっと専門的な論文にいきつくはずです。

斎藤純男(2001)「音調の分析」 城生佰太郎(編)『日本語教育学シリーズ<第3巻> コンピュータ音声学』 おうふう.

コンピュータ音声学 (日本語教育学シリーズ)コンピュータ音声学 (日本語教育学シリーズ)
(2001/01)
城生 佰太郎

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音調のタイポロジー音調のタイポロジー
(1999/01)
早田 輝洋

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Phonology in Generative Grammar (Blackwell Textbooks in Linguistics)Phonology in Generative Grammar (Blackwell Textbooks in Linguistics)
(1993/09)
Michael Kenstowicz

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The Phonology of Tone and Intonation (Research Surveys in Linguistics)The Phonology of Tone and Intonation (Research Surveys in Linguistics)
(2004/09/30)
Carlos Gussenhoven

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音韻論 (現代の英語学シリーズ)音韻論 (現代の英語学シリーズ)
(1995/01)
原口 庄輔

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学振の季節
日本学術振興会(通称,学振)特別研究員の応募をする季節になりました。研究者の世界についてあまり知らない方のためにいちおう書いておくと,博士課程の大学院生~若手研究者が対象となるこの制度,自分の研究だけしながらお給料がもらえるので,多くの人があこがれるものです。私は前回,前々回は居場所があったので出しませんでしたが,今回は出します。本当は就職(つまり大学教員として)したいのですが,資格のあるものは何でも出そうということで。そんなわけで,最近書類を書いています。

TeX用の書類とか公開されているんですね。結構べんりかも。

で,いつも思うのですが,どう審査されているのかよくわからなくて,まるで宝くじのようです。一生懸命書いた書類が,1枚の不採用通知の葉書で済まされてしまうと,やりきれなさを感じてしまいます。内容が悪くて落とされたのならまだ諦めがつくのですが,内容が悪くないのに審査員に正当な評価を受けられなかった可能性があると思うと,やりきれないわけです。

ちなみに私のこれまでの戦歴(?)。5戦全敗。海外特別研究員の方が1戦1勝なので(それが今の私につながっています),合わせれば1勝5敗。勝率16.6%。全体の採択率が例年十数パーセントなので,まあ平均と同じかちょっとましぐらいなのかもしれませんが。それでもやはり,通ったときも落ちたときも,なんだかわけがわからないです。

日本語と韓国語の形態統語論
最近気になっていることの一つ(というか,昔から気になっていたことでもありますが)に,日本語と韓国語では形態統語論的(あるいは語形成論的)にどう違うのだろうか,という疑問があります。表面的には日本語と韓国語はかなり似ているように見えるけれど,実はけっこう違うんじゃないかと思うわけです。

そんなことが気になるのは,語レベルから句レベルにかけての韻律の現れ方に関して,日韓でかなり違いがありそうだからです。それがどこに起因するのか?音韻論自体なのか,形態統語論なのか,それとも両者のマッピングなのか?それを突き止めるには形態統語論を知っておく必要があるわけですが・・・今までそういう方面はほとんど勉強してきませんでした。

最近気になって,少しだけ調べてみました。
見つけたのはこんなページ。
韓国語/日本語の形態・構造とhead movement (思索の海)

よく見たら知り合いでした。ずいぶん昔の記事ですが,せっかくなのでトラックバックを。
ここで紹介されている論文,私はまだ見ていませんが(読んでも理解できなさそうですが),日韓の「差異」を扱っているものではなさそう。

あと,日韓の形態統語論に関してとりあえず思いつくのは,以下の論文。今は手元にありませんが。

塚本秀樹 (1997) 「語彙的な語形成と統語的な語形成-日本語と朝鮮語の対照研究-」
国立国語研究所 (編) 『日本語と外国語との対照研究Ⅳ 日本語と朝鮮語 〈下巻〉研究論文編』 191-212.

日本語と朝鮮語 (下巻) (日本語と外国語との対照研究 (4))日本語と朝鮮語 (下巻) (日本語と外国語との対照研究 (4))
(1997/03/20)
国立国語研究所

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あまり研究がない分野なのか,私が知らないだけなのかわかりませんが,もうちょっと調べてみる必要がありそうです。ご存知の方は是非おしえてください。

韓国語で発表
最近,ここエディンバラにいる韓国人の人たちとずいぶん知り合うようになりました。月に1回,韓国人のポスドク・大学院生・学部生が集まる回があって,そこに顔を出すようになったのです。そこでは,1人が自分の研究テーマについて発表をします。集まる人の専攻はみんなばらばらなので,あまり高度に専門的な話はしません。発表のあとは,お酒やお菓子をつまみながら,みんなでいろいろ話をします。私にとっては,韓国語の練習になるし,いろいろな分野の話がきけるし,けっこう有意義です。

で,つい先日,私が発表をしました。内容は,以前にSOASで発表したときと全く同じもの。(SOASで発表したときのことについては,以前の記事で書きました。)そのときは英語でしゃべったわけですが,今回は韓国語でしゃべりました。やっぱり私にとっては,韓国語でしゃべるほうがかなり楽です。

ただ,発表の手ごたえは,SOASのときと比べてイマイチだったような気がします。もうちょっと興味を示してくれるかと思ったのですが。もちろん,一人一人に感想を聞いたわけではないので,実際のところはわかりませんが・・・でもこういうのって結構雰囲気でわかります。

なんでだろう,と考えてみました。聴衆の専門がばらばらという点では,SOASのときと同じです。いろいろ考えてみて,たぶんこういうことじゃないかと思いました --- SOASの聴衆の大半は,韓国学を研究する西洋人でした。彼らは,韓国語を学習した経験があります。そういう人たちは,専門が言語でないにせよ,多かれ少なかれ韓国語という言語に関心を持っているんじゃないかと思うのです。一方今回の聴衆はみな韓国人。韓国語を母語としていますが,韓国語を(外国語として)学習した経験はありません。ふだん意識したことのない母語に目を向かせるというのは難しいのかもしれない,と思ったわけです。韓国語の話なんかよりも,アメリカ英語とイングランド英語とスコットランド英語のイントネーションについてでも話したほうが,興味を持ってくれたかもしれません。(もちろん私にはそんな話はできませんが。)

あるいは,韓国語について話すにしても,もっと別の切り口もあったかもしれません。言語を専門としない韓国人をどう惹きつけるか? ・・・今後の課題です。


博士論文のPDF
以前にある方から,ウェブページに公開されている私の博士論文がうまく表示されないと指摘を受けていました。同じことは,私自身もエジンバラに来てから経験しました。大学のパソコンでは博士論文の日本語の部分が表示されないのです。要するに,英語版のAdobe Readerでは日本語の部分が表示されないということのよう。

この問題,ずっと放置していたのですが,最近ようやく解決しました。PDFにフォントを埋め込めばいいわけです。(解決する気になったのは,別の件で日本語文書をLaTeXで書く必要性が出てきたからです。書いても大学のパソコンで表示できなければ,印刷もできないので。)

博士論文はもともと,LaTeXで書いたものです。PDFにするときは,dvipdfmxを使いました。では,dvipdfmxで日本語フォントを埋め込むときはどうすればよいか?調べてみたら,以下のページにありました。

dvipdfmxで日本語フォントを埋め込んだpdfをつくる方法 (ぴょぴょぴょ? - Linuxとかプログラミングの覚え書き -)

ちなみに,このページにあるIPAって,国際音声記号 (International Phonetic Alphabet) のことかと思いました。情報処理推進機構 (Information-technology Promotion Agency) のことなんですね。

そんなわけで,無事にフォントが埋め込まれたバージョンを博士論文のページにアップロードしました。少なくとも私が大学で確認した限りでは,問題なく表示されました。ただ,dvipdfmxを実行したときにちょっとしたエラーが出たので,もしかしたら文字が化けているところがあるかもしれません。せいぜい数文字程度だとは思いますが。


Kenstowicz, Cho, and Kim (2008)
Michael Kenstowicz, Hyesun Cho, and Jieun Kim (2008) A note on contrasts, mergers, and acquisitions in Kyungsang accent. Toronto Working Papers in Linguistics 28, 107-122.

大邱方言・釜山方言のアクセントと中期朝鮮語や現代朝鮮語咸鏡道方言のそれとがどう対応しているかをRamsey (1975) にそって示し,いくつかの型が大邱方言・釜山方言の単語単独形においてmergeしていることを示している(例えば釜山方言における2音節語のLHなど)。さらに,音響分析により,それらが本当にmergeしていることを確認している。また,中期朝鮮語との関係において例外的な対応を示すものについて,その理由を考察している。




中期朝鮮語と現代諸方言の対応関係,およびそこに見られるmergerについては,よく知られていることです。それを実際に音響分析によって測定してみたのが新しいところ。研究ノートということで,インフォーマントは各方言とも一人ずつです。

なお,この論文の中で言及されていた他の興味深い論文。
Michael Kenstowicz and Chiyoun Park (2006) Laryngeal features and tone in Kyungsang Korean: A phonetic study. Studies in Phonetics, Phonology, and Morphology 12. 247-264.

慶尚道方言における平音・激音・濃音とピッチの関係を扱った論文のようです。私も気づいていた現象ですが・・・先にやられていたようです。

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