マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
201707<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201709
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Arvaniti, Ladd, and Mennen (2006)
Arvaniti, A., D.R. Ladd, and I. Mennen (2006) Tonal association and tonal alignment: Evidence from Greek polar questions and contrastive statements. Language and Speech 49. 421-450.

Prieto et al. (2005) の提案に対し,別の解釈を示すというのが基本的な内容です。




背景にあるのは,secondary association。これは,Pierrehumbert and Beckman (1988) が,日本語においてphrasal Hがアクセント句の左端ではなく第2モーラにつくことを捉えるために初めて導入した。そしてその後,様々な言語に適用されることになる。

さて,問題になるのはPrieto et al. (2005)。彼らは,アクセントの種類によってアラインメントが微妙に異なるケースを問題にしている。例えば,カタルーニャ語の場合,
・ブロードフォーカスの平叙文において,prenuclearの位置で,ピークの遅れを伴う上昇調が現れる。
・命令文において,prenuclearの位置で,アクセント音節の終端にピークの現れるタイプの上昇調が現れる。
彼らは,この二つはどちらもL+H*であり,secondary associationが異なるのだとしている。つまり,どちらもprimary associationはアクセント音節につくが,前者ではsecondary associationがpost-tonicの位置につくのに対し,後者ではアクセント音節の右端につくとしている。

このPrietoらの提案は,通常のsecondary associationとは異なるため(つまり,通常はprimary associationが韻律境界でsecondary associationが特定のTBUにつくのに対し,ここでは言わばその逆),著者らはこれをsupplemental associationと呼んでいる。

この論文では,ギリシャ語において似たような現象があることを示し,それに対する別の解釈を提案している。その現象とは,polar questionとcontrastive statementの二つにおけるアラインメントの微妙な違い。

(実験を飛び越して結論に移ると・・・)

著者らによれば,polar questionはL+H* L- L%であるのに対し,contrastive statementはL+H- L%(L+H-は最後の強勢音節にsecondary associationする)となる。そして,tonal crowdingにより,両者のアラインメントに微妙に差が出るのだと解釈している。

ちなみにtonal crowdingとは,TBUの数よりもtoneの数の方が多いときにtonal targetが何らかのかたちで調整される現象。言語によって,truncationが起きることもあれば,全てのtargetが実現するものの何らかの調整(undershootやalignmentの調整)がなされることもある。




ということで,今の自分の研究に多少関係あるかと思って,序論と考察を中心にざっと読んでみたのですが・・・ 直接は関係ないかも。でも,おもしろかったです。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。