マルソリ・ラボ
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Atterer and Ladd (2004)
Atterer, M. and D.R. Ladd (2004) On the phonetics and phonology of "segmental anchoring" of F0: Evidence from German. Journal of Phonetics 32, 177-197.

以下は序論のまとめです。




T1*+T2やT1+T2* というのが,アラインメントの異なるピッチアクセントを区別するために用いられてきた。

このスターは,広く用いられるようになる一方で,本来とは離れた機能をも意味するようになってきた。つまり,二つのトーンのうちの一つはアクセント音節にアラインしなければならない,というものである。

さらに,スターは暗に音声の特徴をも示すような用い方がされてきた。つまり,アラインメントの対立がない場合においても,スターをつけることで,ピークと強勢との相対的位置関係が示されるようになったのだ。(例えば,ドイツ語のL*+Hは,それに対応するL+H*を持たない。)

Bitonal accentにおける二つのトーンのうち一つがアクセント音節にアラインしなければならないとすると,ギリシャ語のrising prenuclear accentのケースが問題となる。このケースでは,Lがアクセント音節の始端に,Hが終端に一貫してアラインするからである(Arvaniti, Ladd, and Mennen 1998, 2000)。こうした現象は他の言語にも見られる。しかし,アラインメントの仕方は言語によって少しずつ異なる。

こうしたsegmental anchoringの問題に対する一つの考え方は,secondary associationだろう。Secondary associationは,Pierrehumbert and Beckman (1988) によって初めて導入され,のちにGussenhoven (2000) やGrice, Ladd, and Arvaniti (2000) によって発展させられた。この考え方を,上述の問題に適用することも可能かもしれない。つまり,アラインメントはsecondary associationによって決定するわけである。

しかし,言語によってアラインメントが少しずつ違うことを,secondary associationによって説明するというのは,いいやり方なのだろうか?そうではなくて,言語間の違いは,"language-specific phonetic rules"に求めるべきかもしれない。




…だいたいこんなことが,序論に書かれていたことです。この論文では,ドイツ語のprenuclear rising accentについて,南北の方言でアラインメントが若干異なることを示すとともに,それがさらに英語やオランダ語のL*+Hのアラインメントとも異なることを示しています。そして,secondary associationではなくphonetic rulesによるものだという方向に議論を持っていっています。

Secondary associationを取り上げつつ,そうではないと言っているという点では,前回の記事のArvaniti, Ladd, and Mennen (2006)と似てますね。



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