マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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김차균 (2002) 第6章
김차균 (2002) の第1章~第4章第5章につづき、第6章のメモです。この章は、これまでの章よりは理解しやすかったです。

第6章に入る前に、これまでのところに関する補足。
傍点法というのがどうも理解しにくかったのですが、p.29の表をおさえておくことで、ある程度理解ができそうです。






声調対応関係(김차균 2002:29, 拙訳、一部省略・変更)
声調名中世国語星州方言固城方言
平声LHH
仄声去声HMM
上声RM:L

M:は、もとの本ではMの下に点二つがついたものです。
どうも、上声が出てくると「上」だから高いような気がしてしまうのが、私自身の混乱のもとになっていたようです。星州方言(慶尚北道)では去声と上声はともにMで、上声の方は長くなります(点二つは長音を意味しているらしい)。一方、固城方言(慶尚南道)では、上声はLで、去声とは高さで区別されます。このへんのことは、第6章でも出てきます。

さて、第6章。

6.1:東南部慶尚南道方言の音調形認識
ここでは昌原方言をとりあげています。ポイントは、LMとMHがこの方言で弁別的であるにも関わらず、多くの研究者(例えば、김정대 2001)がこの違いを無視してきたということ。

6.2:西南部…
こちらも上と同様にLMとMHの違いが述べられ、批判の対象として최명옥 (2000)が挙げられています。
もう一つのポイントは、西南部慶尚南道の晋州方言において、60才以下の話者で年齢が下がるほど、LMMとMHMの区別をしなくなっているということ。これに関連して、日本の論文(大江 1977、早田 1978、福井 2000)にも言及しています。LMMとMHMを弁別する話者もいて、その弁別が上の3つの論文にちゃんと記述されていると。
(見方を変えれば、大江 1977等に記述されているのは古い世代のアクセントで、若い世代はこれとは異なるということですね。)

6.3:星州方言の…
星州方言では上声形がHHMないしMHMとなり、第1音節が長くなる。そのため、音調の面では、去声形HHMや平仄形MHMとの区別が難しいが、第1音節の長さで区別される。…これが一つのポイントです。
もう一つのポイントは、星州の隣、大邱の若い世代のアクセントについて。この世代では、上声形と去声形の対立が失われているそうです。

6.4:音声形認識の音響的証拠
ここでは、F0と持続時間を測定し、上に述べたピッチおよび長さの差異を音響的に検討しています。結論は、上に述べたことと一致するということです。ただし、私の目から見れば、方法論的に厳密さに欠ける部分があるので、さらなる検討の余地がありそうです。

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