マルソリ・ラボ
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Foulkes and Docherty (2006)
P. Foulkes and G. Docherty (2006) The social life of phonetics and phonology. Journal of Phonetics 34. 409-438.

これも前回の記事で紹介した論文とともに,次の研究会で議論することになっています。社会言語学的な観点から音声学・音韻論をみた話です。




最初はsociophonetic variation(日本語に訳せば,「社会音声学的変異」とでもなるのでしょうか)とは何かについて,著者らの研究をもとを中心にして述べています。著者らの研究というのは,Newcastle upon Tyne(イングランド北東部の都市)における子音の変異とその修得に関するもの。

その上で,そういったsociophonetic variationを説明するにはどういう理論がいいかという議論をしています。ここで著者らが賛同している理論は,はやりの最適性理論ではなく,exemplar-based model。なぜexemplar-basedがいいのか(言い換えれば,なぜ他の理論が駄目なのか)というと,他の理論で変異を説明することはできても,その変異の持つindexical values(つまり,それぞれの変異が,人の頭の中でどういった社会的属性と対応付けられているか・・・だと思います。たぶん。)が説明できないから,とのこと。




ちなみに,(音韻論における)exemplar-based modelとは,他の理論のようにlexical representationを抽象的なものとみなさず,もっと具体的なものと考える理論です。イントネーション研究でとても有名なPierrehumbertも,最近はこの方向で研究をしているようです。

前回の記事で,近頃の音韻論に批判的な研究を取り上げましたが,exemplar-based modelも近頃流行の音韻論と一線を画しているという点では,同じと言えば同じ。ただ,こちらはもっとラディカルです。Lexical representationに関する生成音韻論の考え方を,根本から否定しているわけですから。

私はこの理論についてあまり詳しく知りませんが,実は以前から気になってはいました。今後の音韻論は,もしかしたらこういう方向にいくんじゃないかとも予感しています。そうすると,音韻論の風景も,がらっと変わるんじゃないかと。

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2007/11/01(木) 17:48:36 | 一語で検索
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