マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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Lindblom (1986)
Björn Lindblom (1986) Phonetic universals in vowel systems. In J.J. Ohala and J.J. Jaeger (eds.) Experimental Phonology. 13-44. New York: Academic Press.

聴講している授業のリーディングの課題ということで読んでみました。・・・といっても全部は読んでいないのですが。




母音の体系にはある程度普遍性がある。例えば,3母音体系においては/i/ /a/ /u/という組み合わせが多いというように。この論文では,このような普遍性は音響的に各母音間の距離を最大限にしようとするためだという仮定のもと,この仮定にもとづいてモデル化してシミュレーションした結果と実際の言語における傾向とを比べている。

まず,Liljencrants & Lindblom (1972) による同様の試みを紹介している。ここでは,F1-F2空間における各母音間のユークリッド距離をもとに計算をしている。その結果は,実際の言語における傾向とやや異なるものであった。具体的に問題としては,例えば,9母音以上の体系においてモデルにもとづくと5つの高母音を予測してしまうというものがある。

そこでこの論文では,モデルをより複雑にし(F2よりもF1に重みをつける,他の音響的特徴を加える,など),シミュレーションをしている。その結果は,Liljencrants & Lindblom (1972)よりも遥かに,現実の言語の傾向に近いものであった。

ただし,それでもまだ完全に現実と一致しているとは言えず,課題を残している。




1986年という,ちょっと古めの論文です。その後この方向の研究はどういう展開を見せたのだろうかと気になって,Google Scholarで調べてみたら,こんな論文を見つけました。

Bart de Boer (2000) Self-organization in vowel systems. Journal of Phonetics 28, 441-465.

はやりの「自己組織化」ですね。

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