マルソリ・ラボ
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金次均氏の「韻律句」と複合用言
最近,以下の本を読んでいます。

김차균 (2002) 영호남 방언 운율 비교. 역락.

韓国語の慶尚南道昌原方言と全羅南道潭陽方言の韻律を扱った本。とても分厚い本でまだ前半しか目を通せていませんが,その中で1つ気になった箇所が。


この本において韻律句は,許雄(1965,1972)の語節を含むのみならず,文法的な複雑性や大きさに関わらず,1つの韻律形で発音されさえすれば,形態素,語,またはそれより大きな単位である句や文,ときには2つ以上の文を指すこともあり,ときには語の一部分(例:/이・일#나・다/ <일어나다>,/개・앤#・찮・다/ <괜찮다>はそれぞれ1語が2つの韻律句から成っている)を指すこともある。この本において用いる韻律句は,現代の音声学や音韻論における音韻論的な語,韻律的な語,韻律語よりその含む範囲が多様で広い。(p.39 注16,拙訳)


# 本文で/이・일#나・다/の다の左脇に点があるかどうかは,見にくくてよくわかりません。私の慶尚道方言に関する知識から判断するに,たぶんあるはず。

似たような概念はいろいろあると思います。アクセント素,アクセント単位,アクセント句・・・。それぞれ少しずつ定義が違ったり,あるいは定義がよくわからなかったり。「1つの韻律形で発音」というのも,なんとなくわかるのですが,実際には判断の難しいケースがいろいろあると思います。

それはともかく,気になったのは1語が2つの韻律句で発音されるケース。ハングルの脇の点がトーンを表しているわけですが,著者独特の表記なので,以下にわかりやすく書き改めてみます。

(昌原方言の場合)
/iil+nata/ (起きる) [HL][HL]
/keen+chantha/ (大丈夫だ) [HL][HH]

# ハングルは音素表記に(hは正確には上付きにすべき。あと,nataのnは流音化するので l にしたほうがいいのかも。)Hは高音調,Lは低音調(著者の表記ではLではなくM)。[ ] は韻律句。

日本語の感覚からすると不思議な現象です。でも,方言ネイティブの著者がそう言っているのだから,きっと本当にそう発音するのでしょう。こういう例,もっと知りたいです。

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2008/05/29(木) 12:35:42 | おまとめブログサーチ
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