マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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音声学と実験ノート
データの分析の途中で,あるいは論文を書いたり修正したりしているとき,しばしば以前おこなったデータ収集や分析のプロセスを見る必要が出てきます。それで実験ノートを改めて見てみたり,関連ファイルを見てみたり。先日もそんなことをしていたのですが,ノートやファイルを見ているうちに,自分の整理の仕方がものすごく要領が悪いように思えてきました。

そもそも自分のノートが「実験ノート」と呼ぶに値するのかというのがまず問題です。理系の実験研究では実験ノートをとることが重要なこととされているみたいですが,自分は文系で,今まで特に実験ノートをとるという教育を受けたことがありません。研究をする中で,メモを長期的に残しておくということを自然に学んだだけのことで,結局のところメモの束の延長線上のようなものです。

# そもそも私のやっていることが実験なのかという疑問もありますが。「調査」と「実験」というものが連続的に存在していて,その中で調査的なことも実験的なこともやっているという感じです。ただ,調査であっても,やはりノートをとる意義は基本的に変わらないでしょうが。

そんなことを考えながら,ウィキペディアの「実験ノート」という項目を読んでみました。

実験ノート (ウィキペディア日本語版)

自分の研究分野には当てはまらない部分が多いなあという感じです。

目をひいたのは,実験ノートの電子化のところ。おもしろそうだったので,ここで紹介されている轟氏らの論文(日本語版)も読んでみました。

轟 眞市, 小西 智也, 井上 悟:``ブログを基にした実験ノート: 個人の研究活動を効率化する情報環境''

以下,この論文の要旨の冒頭からの引用。


昨今の情報技術全盛の時代にあって、多くの研究者は日々の活動を記録するのに、今
だ紙ベースのノートを使っている。このスタイルの記録方法は、実験データとそれに
付随した情報が、ハードディスクと紙とに別々に記録されるという状況を生み出す。
この様なデータの分離状態は、実験活動の高効率化を阻害する深刻な要因となる。


そう。まさにこれが問題の本質なんですよね。

私の研究の場合,まず元のデータそのものが音声ファイルとして電子化されています。さらに,分析資料のリスト,セグメンテーションした(Praatの)TextGridファイル,Pitchファイル,処理するためのPraatスクリプト,統計にかけるためのRのスクリプト,いろいろな分析結果のファイル,などなど。研究のプロセスにおける多くの部分がハードディスクの中にあるわけです。ノートにいくら記録しても,ノートの中では絶対に完結しえないところに,問題の本質があるわけです。

上の論文では,実験ノートの全てをコンピュータ上で記録し,関連するデータをリンクできるような方法を提案しています。とても魅力的なのですが,私が自力でやるには敷居がちょっと(かなり?)高いかも・・・。

まあ私の場合,ハードディスクと紙の「分離状態」を我慢しながらでも,もうちょっと改善の余地があるはずです。要するに,真面目にきちんと記録する癖をつけないと,ということです。

同業の音声学をやっている方々はどうしているんでしょう?

コメント
この記事へのコメント
ご紹介ありがとうございます
>私が自力でやるには敷居がちょっと(かなり?)高いかも・・・。

LaTeXやMetaPostをUNIX上でお使いになられているなら、そんなに敷居は高くないと思いますよ。

>要するに,真面目にきちんと記録する癖をつけないと,ということです。

私は整理して記録する習慣が身に付かなかったので、電子化したのです。手を抜くための努力って、目的を達成すれば、新しいスキルと空き時間が御利益となります。なんせ手が抜けるのですから。

Utsugiさんの研究に有効かどうかはわかりませんが、ファイルを整理せずに時間順に(フォルダに)保存し、全文検索ソフト(Google Desktop, Namazu 等)で見付けるという手もあります。「超」整理法の応用です。検索できる手段があれば、整理する必要は無いのです。

解決策を見出されることを祈っています。

TDRK
2008/05/25(日) 05:55:09 | URL | 轟 眞市 #T5ZYX19.[ 編集]
轟さん

コメントありがとうございます。著者の方から直々にコメントいただけるとは。しかもその反応の速さに驚きました。

> 手を抜くための努力って、目的を達成すれば、新しいスキルと空き時間が御利益となります。

おっしゃること,よくわかります。私もそういう「手を抜くための努力」って重要だと思いますし,けっこう好きなタイプの努力です。

いろいろ検討してみます。
2008/05/25(日) 22:02:21 | URL | A. Utsugi(管理者) #LBBrlPtc[ 編集]
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2008/05/24(土) 22:32:30 | おまとめブログサーチ
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