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Kenstowicz & Sohn (1997)
Kenstowicz, M. & H.-S. Sohn (1997) Phrasing and Focus in Northern Kyungsang Korean. MIT Working Papers in Linguistics 30, 25-47.

以下はこの論文の内容をマインドマップでまとめたもの。(サムネイルをクリックすると画像を見ることができます。)


Kenstowicz & Sohn (1997)


慶尚北道方言の韻律句形成とフォーカスについて扱った論文です。慶尚北道方言と一口に言っても、方言差があることが予想されるので、この論文のインフォーマント(第二著者)がどこの出身なのか、知りたいところですが。

第1節では、本題の前段階の分析として、アクセント、ダウンステップ、アップステップについて扱っています。アクセントに関しては、体系そのものは他の論文(例えば羅聖淑 1974)と同じです。ただし、羅聖淑(1974)は、HH...のタイプ(K&Sの言うところのdoubled)のうち、第1音節が長母音のものとそうでないものを異なるアクセント型とみなしていますが。

おもしろいのは、ダウンステップとアップステップの話です。これまでアクセントの削除(あるいはdelinking)と捉えられてきたものが、実はダウンステップないしアップステップなんだということです。

第2節では、この方言の韻律句境界がXPの左端に置かれていることを示し、これに対するOTの制約ランキングをTruckenbrodt (1995) に基づいて示しています。

第3節がメインとなる部分。ここでは、この方言におけるフォーカスに伴うピッチパターンに関し、Truckenbrodt (1995) の制約では捉えられないことを示し、新たな制約を提案しています。Truckenbrodt (1995) の制約とは以下のようなものです。


Focus: If F is a focus and DF is its semantic domain (essentially the clause), then the highest prominence in DF will be within F.


これで捉えられないのは、例えば動詞句の目的語にフォーカスを置いたときに、アップステップによって後続する動詞にピークが現れるような現象です(フォーカスのある語よりもその後ろの語の方がピッチが高くなるというのは、現象それ自体とてもおもしろいですよね)。そのため、著者はAlign-Focusという制約を提案して解決しています。つまり、フォーカス語の左端と韻律句の左端をそろえろ!という制約です。

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Jongho Jun, Jungsun Kim, Hayoung Lee, and Sun-Ah Jun (2004) The prosodic structure of Northern Kyungsang Korean. Proceedings of Speech Prosody 2004, Nara, Japan.例によってマインドマップを。
2006/09/13(水) 17:19:30 | マルソリ・ラボ
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