マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
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韓国滞在を振り返る(3):韓国国際交流財団滞韓研究フェローシップ
韓国滞在を振り返る記事(12)のつづきです。

今回の9ヶ月の韓国滞在期間は,韓国国際交流財団の滞韓研究フェローシップというものを受けていました。韓国国際交流財団は,日本の国際交流基金と似たようなものだと思います。韓国文化の海外への発信と外国文化の紹介を目的とした政府系の財団のようです。いろいろなフェローシップ事業を行っていて,その1つに滞韓研究フェローシップというものがあります。

滞韓研究フェローシップの対象はかなり広いです。こちらに来て私と同様のフェローシップを受けている人に何人か会いましたが,実際いろいろな人がいました。
・資格:大学院博士課程以上。博士論文執筆中の大学院生から大学教員まで様々な人がフェローシップを受けています。私のように博士号を取得後で常勤の職を得る前の,いわゆるポスドクのような身分の人はまれなようです。
・国籍:特に制限はないようです。世界中から募集していて,いろいろな国から来ています。日本人はあまりいないようで,私のほか一人しか会いませんでした。
・分野:人文・社会科学。特に社会科学の人が多いような印象を受けていました。私のように言語学専門で,しかも実験をしたりするような研究者は珍しいと思います。そのため,私のしていることを他のフェローに話しても,なかなか理解されません。まあ,これはいつものことですが。

さて,フェローシップを受けることになった場合,財団がしてくれるのは,ビザ(「D-1 文化芸術」というかなり珍しいもの)を取得するための書類の発行と,滞在費の振り込みです。研究費を別途もらえるわけではないので,滞在費の中から自分でやりくりしなければなりません。

研究は,フェローシップ申請のときに決める研究協力者と相談の上,各自勝手に進めます。私はこの研究協力者の先生の配慮で研究室に机を割り当ててもらいましたが,こういう環境が得られるかどうかは,全て研究協力者(あるいはその協力者の所属する機関)次第です。財団が何かしてくれるわけではありません。フェローによっては,どこかの大学図書館に通って閲覧室で勉強や研究をしたり,あるいは自宅にこもって研究したりしているようです。理系(特に実験系)だったらありえないような話ですが…まあ,このフェローシップは文系対象のものなので,皆これが普通だと思っているようです。ともかく,この点において私はとても恵まれていたと思います。

ただ,私の場合も問題がなかったわけではありません。研究室に出入りし,机も割り当てられていたものの,その研究機関に正式に登録することができませんでした。韓国国際交流財団の方では,そういうことを制限しているわけではなく,むしろどこかの機関に登録されることは好ましいと考えているようです。でも,出入りしていた高麗大の研究所では,私のような立場の者を登録する制度がなく,登録することができなかったわけです。これに伴って生じる問題は,大学図書館で本が借りられないということと,「○○研究室研究員」のような肩書きを名乗ることができないということです。

このへんのところ,韓国社会のあらゆる部分に共通する問題のような気がしてなりません。制度のあちこちに不備があり,それを個々人の裁量で補っているのです。まあ,韓国社会は個々人の裁量がきく部分が大きく,それによって社会がちゃんとまわっているので,いいのかもしれませんが。私の場合も,肩書きは形式的なことに過ぎないし,図書館に本を借りるのは誰かに頼めばいいことなので,実質的な問題はなかったわけですし。

さて,各自研究を進めるほかに,フェローはいろいろな行事にただで参加させてもらえます。「지방답사(地方踏査)」と呼ばれる旅行が春と秋の2回あるほか,芸術の公演をみたりとか。これらの参加は義務でありませんが,私は旅行には2回ともしっかり参加しました。せっかくの機会ですし。そのときのことは,以前に書きました()。

フェローシップの話はここまで。
次はかんじんの研究のことを書こうかと思います。

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