マルソリ・ラボ
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Arvaniti et al. (2006)
A. Arvaniti, D.R. Ladd, and I. Mennen (2006) Phonetic effects of focus and "tonal crowding" in intonation: Evidence from Greek polar questions. Speech Communication 48, pp. 667-696.

Introductionの最初の方で,最近のイントネーション音韻論の動向についてまとめています。とりあえずその部分だけ。




AMアプローチの基本的な考え方



Bruce (1977) やPierrehumbert (1980) に代表される "autosegmental-metrical" (AM) なアプローチの基本的な考え方:

Toneと分節音・音節は一対一の対応をなさない。ある音節に複数のtoneが連結する一方で,別の音節にはtoneが指定されなかったりする。Targetとtransition。

ここから導かれる二つの帰結:
1. イントネーションの全体的な形状は特別な地位を持たない。(イントネーションはtoneの組み合わせによってつくられる。)
2. イントネーションの機能は直接量的な音声的パラメターと対応するわけではない。(両者の間には音韻的なtoneが介在している。)

AMアプローチに疑問を投げかける最近の研究



<Target-transitionに関して>

Xu (2005), Xu and Xu (2005)
・英語において,toneが指定されない部分にはinterpolationが生じるわけではない。
・非アクセント音節には[mid] targetが指定される。
・[mid] targetは "near the level of the habitual pitch"であり,積極的に制御される。

<ピッチ曲線はtoneの産物?>

Grabe et al. (2005)
・ピッチの全体的形状はF0平均や傾斜といった連続的な音声的パラメターによって決められうる。
・例えば,(いくつかのイギリス英語の方言において)質問(questions)と陳述(statements)の区別に大きく関わるのはF0平均である。

Xu (2005), Xu and Xu (2005)
・イントネーションを生み出す4つのmelodic primitives:pitch target, pitch range, strength, duration。
・例えば,フォーカスを示すのはpitch range and spanである。




この論文では,GrabeらやXuらのような反AM的な立場に反対し,AMアプローチを支持する実験結果を出しています。また,AMアプローチにおけるpitch rangeの位置づけについても論じています。(これは,Ladd 1996の4.4.2と7章でも論じられている議論です。)


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