マルソリ・ラボ
言語学、音声学、日本語、韓国語など。
201704<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201706
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

名古屋大学大学院国際言語文化研究科のオープンキャンパス(続報)
大学院のオープンキャンパスのポスターが出来たようです。こちらからご覧ください。

受験希望の方はぜひいらしてください。



『朝鮮語ソウル方言の韻律構造とイントネーション』
すっかり宣伝するのを忘れていましたが、昨年度末に私の著書が出ました。

朝鮮語ソウル方言の韻律構造とイントネーション朝鮮語ソウル方言の韻律構造とイントネーション
(2013/03/22)
宇都木昭

商品詳細を見る


(上はアマゾンへのリンクですが、出版社のサイトからも購入できるようです。)

まえがきには以下のようなことを書きました。長いですが引用します。




本書は、私が2005年に筑波大学に提出した学位論文「朝鮮語ソウル方言におけるアクセント句 ― 音響分析による再検討 ― 」を改訂したものである。

そもそも、私がこのような研究を志したきっかけは、筑波大学人文学類の学類生だったころに遡る。朝鮮語(韓国語)を学んでいた当時、ネイティブの先生からこんなことを言われたことがある。

「あなたの韓国語のイントネーションはプサン方言みたいよ。」

私としては、プサン方言を話しているつもりはなかったし、(プサン訛りの日本人というのも、それはそれで悪くないかもしれないが、)韓国で標準的と認識されているソウル方言のイントネーションを身につけたかった。しかし、私がこの言語を学習していた当時、ソウル方言のイントネーションや韻律の特徴について言及してある文献は、少なくとも学習者の目にとまるような語学書の中には存在していなかった。だから、大学院に入学し研究テーマを決めることになったとき、ソウル方言の韻律を扱おうと思ったのである。以来、大学院を修了するまで、一貫してこのテーマで研究を進めてきた。

本書はそのような経緯を持っているものの、学習者としての素朴な関心から始まったものとしては、最終的にずいぶん理論色の濃いものになったかもしれない。もし、かつての私と同じようにソウル方言のイントネーションについて素朴な関心を持った方々が本書を手に取られたとしたら、あるいは、そのような素朴な関心に応えたいと思っている語学教師の方々が本書を手に取られたとしたら、本書が学習者用の語学書でもなければ語学教師用の手引きでもなく、韻律に関する言語学的な研究書であることをご理解いただきたい。私としては、ソウル方言の韻律に関して、理論的研究と応用的研究の双方が互いに影響しあいながら発展し、その成果が様々なかたちで提供され実践されることを願っている。そのような方向に少しでも貢献できればと、この拙い本を公にする次第である。

* * *

本書は筆者の博士論文を土台としつつ、少なからぬ変更を加えている。最も大きな変更点は、博士論文の第2章「アクセント句の音声的特徴」を除いた点にある。これは、全体的な構成として、この章のみがやや異質な問題を扱っていたためである。

その他にも、文章や図に関して変更を加えた箇所がある。これらはいずれも、正確さ、わかりやすさ、読みやすさ、見やすさの観点から施したもので、本研究の議論の方向に影響を与えるものではない。

なお、一般に「朝鮮語」、「韓国語」、「コリア語」などのように呼ばれる言語に対し、本書では「朝鮮語」という名称を用いている。これは、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、その他いくつかの地域で用いられている言語変種を総称するものとして、日本の言語学で広く用いられている呼び方にならっている。そのうちで、大韓民国ソウル市で用いられている変種を「朝鮮語ソウル方言」と呼んでいる。


テーマ:韓国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

名古屋大学大学院国際言語文化研究科のオープンキャンパス
私の所属する名古屋大学大学院国際言語文化研究科のオープンキャンパスが2013年7月6日(土)に開催される予定だそうです。大学院への進学に興味がある方は是非いらしてください。私もそこにいるはずです。

詳しい情報は、後日改めてこのブログでご案内したいと思います。

テーマ:韓国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

Yu (2011) Mergers and neutralization
最近読んだ論文に関する備忘録を。

読んだのは以下の論文。

Alan C. L. Yu (2011) Mergers and neutralization. The Blackwell Companion to Phonology. Blackwell.

書かれていたなかで興味をもったのは、以下の二つの話。

(1) Hyman (1976)

弁別的トーンの発生(いわゆるtonogenesis)には三つの段階がある。
Stage 1: voicingに伴う生理的なピッチの変動。
Stage 2: 上述のピッチが誇張される。
Stage 3: voicingの対立が失われる。

(2) Auditory category learningの知見(Goudbeek 2006, Clayards et al. 2008, Goudbeek et al. 2008)

聞き手はmultidimensional contrastsよりもunidimensional contrastsのほうを容易に獲得する。

---

(1)の話、韓国語(ソウル方言)の場合はどうなのだろうかと考えてしまいます。Stage 2から3に移行しつつあるところでしょうか。

(2)のような心理言語学と音声変異・変化の接点になりうるような話、最近とても興味があります。

新しい職場
2013年4月1日から、名古屋大学国際言語文化研究科の所属となりました。後ろ髪をひかれるような思いでつくばを離れ、名古屋にやってきたのが3月下旬のこと。つい先日、4月1日に名古屋大学で辞令の交付を受けました。

そして、名古屋大に着任して1週間ほどたちました。まだ全く慣れていません。数日後には授業が始まるのですが、大丈夫でしょうか・・・。考えてみると、完全に新しい環境に身をおくというのは、エジンバラのとき以来のような気がします。(前任校の筑波大は母校でしたし、その前の理研は大学院生のときにアルバイトの経験があったので。)

なお、今年度も筑波大では、集中講義というかたちで授業を担当します。担当科目は音声学概論a音声学概論b実験音声学。こちらの準備もしないといけません・・・。

ともかく、これから新しい職場でがんばりたいと思います。やりたいことはたくさんあります。

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。